記録的豪雨に伴って開設された三条市災害ボランティアセンターの三条本部には5日、これまで最多の104人のボランティアの参加があり、復旧作業の手伝い求めるニーズへの対応も順調に進んだ。
三条地区に三条本部、下田地区に下田本部と2つの本部を置いて1日からそれぞれ独自にボランティア活動を展開しているが、いずれも慢性的なボランティア不足が続き、ニーズに応えきれず、積み残しが出ている。
それでも5日の三条本部は、新潟市や柏崎市からの団体参加もあり、初めて参加が100人を超えた。ただ内訳は市内13人、市外71人、県外20人と、意外に市内が少ないのは相変わらず。もっとも市民はボラセンを経由せずに直接、親せきや知り合いの手伝いに出向いている人は多い。
下田本部もこの日は約150人のボランティアが参加し、ボランティアの参加がピークになると思われる週末の6、7日にに向けて弾みがついたが、両本部ともまだニーズはたくさんある。
三条本部では、コーディネーターとともに大きな浸水被害が出た保内地区に手伝いの要望を聞いて回っており、今まで遠慮していたとう人からの要望も増えている。まずは住空間の確保が最優先なので側溝の泥上げなどはまったく手をつけておらず、ボランティアが増えれば活動の領域を拡大できる。
5日は最高気温34.3度の厳しい暑さ。三条本部が開設されている三条市総合福祉センターに作業を終えて戻ったボランティアは、泥だらけの長靴で顔を真っ赤にし、タオルを頭にかぶったり首から下げたりしていた。
さすがにぐったりしようすだが、ボラセンのスタッフからぬれタオルや冷えたジュースを受け取ると、日常では得られない充実感に自然と笑顔がこぼれた。
旧白根市の新潟市南区の元看護師、高橋章子さん(52)は「ボランティアを募集しているという情報を得たので、初めて参加してみました」。保内地区で床上浸水した家の外壁の泥を洗い流す作業をした。泥上げのような力仕事ではなかったので、「思ったほど大変ではありませんでした」と余裕の笑顔だった。
ニュースでは見るからに被害の大きかった所が繰り返し報道されるが、「町の中にも一見しただけではわからない被害がたくさんあることを知りました」。今回の記録的豪雨では、自身の家も水位が上昇した中ノ口川の堤防の下なので、心配したが、浸水被害などはなかった。
子どものころに堤防が決壊して浸水被害に遭った記憶がかすかにあると言う。「あらためて水害がどういうことなのかと思い出しました」と水害の脅威を肌で感じていた。