国定勇人三条市長は9日の定例記者会見で、先の記録的豪雨は7・13水害の2倍の雨量で五十嵐川が破堤したのは残念だが、この7年間の堤防のかさ上げ工事が完了していなければ「より被害が深刻になっていたのではないか」、間に合ったからこそ「今回の被害にとどまった」と河川改修工事に感謝した。
国定市長は今回の豪雨で五十嵐川の沿線住民などのコミュニティーの強さにふれ、それが「結果として自らの命を救うに至った」と分析。ハード設備の充実、情報伝達の確保も大事だが、「あらためて地域のつながりというものが、いかに人の命を守っていくのかということを痛感させられた」。
7・13水害で問題にされた避難情報の伝達については、防災行政無線の整備で直接的に多くの人に同じ避難情報を伝えるシステムを構築し、さらに7月にNTTドコモのエリアメールを利用した緊急情報配信を始めたばかりで、燕三条エフエム放送の活用など7年前より「避難情報はより広く伝わった」と見る。
一方で、避難情報がどれだけ正確にタイムラグなく伝わったか、ことし3月に作成した豪雨災害対応ガイドマップ「逃げどきマップ」の実効などを検証、調査するとした。
避難所については東日本大震災を受けて一次避難所と二次避難所のあり方を年内に見直そうと考えていたところで、そもそも避難所へ行くことが安全なのかどうかも含めて見直しが必要とした。
今回の水害で三条は中心的な被災地のひとつでもあっただけに、報道関係者の関心が高く、出席者はふだんの会見の2倍近かった。