三条市は9日開かれた市議会全員協議会で、7日現在での「平成23年7月新潟・福島豪雨被害に係る被害状況等の概要」を説明。笠堀では7・13水害の2倍となった降雨量をはじめ、7日現在で確認している被害状況や今回の災害に係る補正予算42億円余りの概要などを説明した。
7月28日から30日まで3日間の累計雨量は消防本部で291ミリ、笠掘ダムで959ミリを観測。2004年の7・13水害では7月12日から14日までの累計雨量が消防本部217ミリ、笠掘ダム491ミリで、笠掘では今回は7・13水害時の2倍の降雨があったことを示した。
さらに、ダムの最高流入量は毎秒単位で、笠堀ダムが7月29日午後4時に874立方メートル(7・13水害では最高832立方メートル)、大谷ダムがは7月30日午後6時の957立方メートル(同581立方メートル)。水1立方メートルは1トンの重さになる。
概要はあくまでも中間的な報告とした。人的被害は死者1人、軽傷2人。住家被害は、住家・併用住宅の全壊10、大規模半壊2、床上以上の浸水を含めた半壊278、床下881、浸水244棟で、り災世帯は1,287世帯、3,565人。
補正予算は一般会計41億1,563万円と下水道施設災害復旧の特別会計1億3,400万円の合計42億4,963万円。
一般会計補正は11項目で、被災者生活再建支援(事業費1億8,450万円)、災害救助等(3億2,118万円)、災害廃棄物等処理(6億7,039万円)、土木施設災害応援復旧(1億2,470万円)、被災農業者支援(3億7,658万円)、金融対策(11億3,886万円)、農林水産施設災害復旧(4億7,900万円)、観光施設災害復旧(3億2,290万円)、公共土木施設災害復旧(4億0,073万円)、文教施設災害復旧(7,352万円)、その他公共施設等災害復旧(2,324万円)。財源内容は、国庫支出金、地方債、一般財源などがある。
このほか、降雨量や河川水位等の状況、災害警戒本部と災害対策本部の設置状況、7日現在での被害状況、活動状況、支援状況を説明。あわせて、「被災された方々への各種支援制度」についても資料にそって説明した。
被害状況は、7日現在なので今後、調査が進めばさらに数字が増えると予想される。国定勇人市長は、開会時のあいさつで、道路等の復旧作業は早期着手が必要だが、現時点で最優先しなければならないことはとして、「被災された方への支援に関する情報を一刻も早く入手し、国、県、市それぞれのもつ支援策をすばやく知らせ、活用してもらい、一日も早く元の生活ができるよう、三条市としても全力で支援をさせていただく所存」と述べた。