7月に三条市と災害時の相互応援協定を結んだ三重県菰野町から9日、ボランティアバスで諸岡高幸副町長(59)をはじめ18人が来条し、猛暑のなか保内地区の住宅で泥だしなどの活動を行った。
菰野町からは7月31日にも石原正敬町長が三条市を訪れたのをはじめ、8月6日までの3日間、同町職員4人が家屋被害調査の応援を行った。
菰野町からのボランティアバスは、石原町長が国定三条市長のツイッターでボランティアが足りないことを知り、急きょ計画。8日夜の出発を決め、ボランティア募集を3、4日で呼びかけ、諸岡副町長とボランティア休暇を利用した同町職員7人と一般10人の計18人が参加。参加者は、42歳から77歳の男女で、菰野町民をはじめ、三重県の津市と名張市、京都の人もいた。
一行は8日午後10時に菰野町をバスで出発し、翌9日午前6時半に三条市に到着。三条市社会福祉協議会のボランティアセンターで登録したあと午前9時から午後3時まで、布施谷川沿いの上保内地内で3班に分かれて住宅の泥だしなどの作業を行った。
住宅の縁の下に堆積したどろの排出作業では、高さ80センチほどの真っ暗でかび臭いようなにおいのする縁の下に膝をつくようにしてもぐり、数10センチはたまった泥をスコップでバケツに入れる。
そのバケツを外に送り、泥を土のう袋に入れて住宅前の集積場所まで一輪車で運ぶ。ここでは東日本大震災で東北でボランティアした帰りという埼玉の人、新潟市や見附市など県内の学生、7.13水害で被災したという三条市民などのボランティアとともに手分けしての作業だ。
縁の下に入る人も汗だくで、さらに泥だらけ。屋外で作業をする人も暑さで顔を赤くし、どの人も汗で服がびっしょり。朝からの作業で出た汗を拭くタオルを絞ると、ぼたぼたと汗が落ちる人もいた。
敷地内の泥だし作業をしてもらっていた住宅の大正生まれのおばあさんは、「ほんね、わーりーねー。いい人ばっかりで、助けてもらって」、「ありがとね、助かるいね」と繰り返し感謝した。
今の土地に暮らして40年余り。布施谷川から水があふれることは何度も経験した。家を建て替えた時に土台を高くしたので家に水が入ることはなくなったが、今回の水害では玄関まであと十数センチになり、水が引いた後は車庫も庭も畑も泥が堆積した。「あぎれかえって、ものが言わんねかったて。こんげ(こんなのは)、初めて」と話していた。
菰野町の諸岡副町長はボランティアの合間をぬって午後1時に三条市役所を訪れ、吉田実副市長を訪問、あいさつをすませると、再び上保内の現場に戻り、作業を続けた。一行は午後3時までボランティア活動を行い、菰野町に向けて帰路についた。菰野町のホームページには「新潟県三条市へのボランティアバスが帰町しました」として10日深夜午前1時に到着したことを掲載している。