国定勇人三条市長は29日、9月定例会の議案概要説明会後に臨時記者会見を開き、発災からちょうど1カ月になった平成23年7月新潟・福島豪雨災害の被災者支援に係る地区別移動相談会の開催などについて話すとともに、復旧は「全体の道筋からいうと道半ば」との見方を示した。
7月29日の水害から1カ月についての質問に国定市長は、今回は7・13水害の累積雨量の2倍に達し、これまで7年間の災害復旧助成事業や堤防のかさ上げ工事などが行われていなければ、今回の水害の状況だけでは収まりきれない状況になったと推測し、「あらためて治水対策、ハード事業の重要性を認識させられた」。
「他方で水というのは正直なもので、弱いところを突いてくる」と、今回の豪雨被害を残念とし、「治水対策というのは、実はことし5月で一定のめどはつけたが、そこで終わっていたわけではなく、信濃川、五十嵐川水系全体について、もっと治水対策をやっていかなければならない」とした。
また、「被災されている方々が、一日も早く元の生活に戻っていただく、戻っていただくための希望の道筋をつけていただきたいという思い」で対応の方針などを話す一方、現実には、家屋の撤去や甚大な被害の農地、農道の復旧は「まさに、これから始まっていく」とし、「1カ月たったとはいえ、復旧全体の道筋からいうと道半ば」と述べた。
ほかに、現在の被害状況は9月1日の市議会全員協議会で示すが、復旧費や被災者支援費など水害関連の予算は現在までに一般財源で20億円くらいと見る。また、7・13水害では国交省とともに避難勧告発令の認知など水害の実態調査を行ったが、今回も三条市の防災対策総合アドバイザーの片田敏孝群馬大学大学院教授の研究室に依頼し、水害の調査も行うことも明らかにした。
また、会見の発表項目では、被災した人の一日も早い生活再建ができるように各種支援制度の不明な点などの相談を受ける「被災者支援に係る地区別移動相談会」を8月31日から9月9日までの7日間の午後7時から市内7カ所で順番に開催することも発表した。