新潟市秋葉区、旧小須戸町に住んだ書家、佐藤江山(こうざん)さんがことし1月に91歳で亡くなったのをしのんで2日から4日までの3日間、加茂文化会館で「追悼佐藤江山一門展」が開かれる。
佐藤さんの遺墨14点をはじめ、かつて佐藤さんが教室を開いた新潟市秋葉区、同南区、長岡市、加茂市の教え子合わせて33人が1人1点から3点の合わせて54点を展示する。
展示する佐藤さんの遺墨のなかには、昭和57年(1982)に行われた同文化会館落成記念式典で、佐藤さんが詩吟にあわせて壇上で二曲一双屏風に書いた書道吟の大作もある。
佐藤さんは中央の書道団体、書壇院で理事や参事を務めた。20年ほど前に脳こうそくに倒れて筆を置くまで近郷で書を教えた。旧国鉄職員で、加茂市でも加茂駅の駅舎で書道を教えるようになった。そこに昭和42年(1967)から通い始め、今は加茂市美術展の運営委員も務める関川加舟さん(76)=加茂市若宮町1=が中心となって今回の書道展を企画した。
きっかけは、本県が中心の書道団体、日本書法教育会がことし6月に県民会館で開いた第11回書法選抜展。関川さんも出品したが、同様に出品した佐藤さんの教え子から追悼展をとの声が上がり、それから2カ月余りで一気に実現へ。
1日に会場で展示作業を終わった関川さんは、「バタバタで、何が何やら」と笑う。佐藤さんの一門の作品が一堂に並ぶのは約30年ぶりと言う。しかも佐藤さんが筆を置いて20年もたってからの開催に「やっぱり先生の人柄でしょう」と言う。
佐藤さんは、「無理押しはしない、自由にがモットーでした」。「社中展と違っていろんなジャンルで、変わった雰囲気を楽しんでもらえると思います」と関川さんは来場を呼びかけている。午前9時から午後6時まで、最終日4日は午後3時まで開く。入場無料。