燕市と新潟大学災害・復興科学研究所(丸井英明所長)の防災まちづくりに関する協定の調印式が7日午後2時から燕市役所吉田庁舎で行われ、鈴木力市長と研究所の宮下純夫副所長がそれぞれ協定書に署名、調印した。
燕市が行う防災関係事業に新潟大学災害・復興科学研究所から専門的な技術や情報を提供して災害に強いまちづくりを目指そうと協定を結んだ。事業内容は防災計画及び防災体制の見直し・整備、防災に関する各種事業、自主防災組織など、防災講演会など防災まちづくりに関する意識の啓発、最新の防災情報の提供、そのほか防災に関すること。
新潟大学災害・復興科学研究所は1969年に設立された理学部附属地盤災害研究施設(地すべり研究分野)が始まり。78年に積雪地域災害研究センターや2006年に災害復興科学センターを設立し、ことし4月に大幅な改組を行って災害・復興科学研究所を設立。環境変動科学、複合災害科学、地域安全科学の3部門からなり、担当教員20人余りをはじめ協力教員と特任教員合わせて約40人の教員で組織し、自然科学から人文社会科学、医歯学までの幅広い分野が連携した研究を行っている。
具体的には当面は、今年度内に地域防災計画の見直しを行う。燕市は合併した平成18年度に地域防災計画を作成し、翌年4月に施行している。それと「並行してむしろ先んじるくらい」(鈴木市長)で住民の防災意識を高めるセミナーや講演会を10月をめどに行い、さらに11月ころまでにモデル的な避難訓練を実施する。職員向けには、すでに8月初めに防災のセミナーを行い、約200人が参加している。
鈴木市長はこれからさまざまな防災の取り組みを進めるなかで、同研究所との協定締結は「非常に心強いアドバイザーと言いましょうか、指導者を得た」と大きな期待を寄せた。
同研究所では、これまでも地域自治体と協力して防災や災害復興に取り組み、それぞれの教員と自治体との関与はあるが、「研究所としてひとつの地元の自治体とまとまった協定を結ぶのは初めて」と宮下副所長。新しい研究所には「非常に喜ばしいこと」と評価した。
また、研究所としても協定を結ぶメリットとして、教員の研究、報告、経験を研究所に系統に的に蓄積、分析されていくことに期待した。