(社)燕三条青年会議所のOBを中心につくる「寺子屋つばさ実行委員会」は24、25の2日間、ことしも燕市国上、本覚院で1泊2日の第4回空腹体験「はらぺこ塾」を開き、参加した小学生45人は寺での共同生活とほとんど食事をとらないで空腹を体験し、食べ物の大切さなどを身をもって学んだ。
同青年会議所が3年前に取り組んだ「寺子屋つばさ事業」の一環から始まった事業で、ことしで4年目。非日常的な空間で集団生活し、本当の空腹感を体験して当たり前に食べ物がある幸せや食事を用意してくれる親への感謝、礼儀作法を認識してもらうのがねらいだ。
参加したのは三条市と燕市の4年生以上の小学生45人で、新潟経営大学の学生8人をリーダーに1泊2日を過ごした。24日午前9時半から国上体育センターで開会式を行い、国上山登山を含むオリエンテーリングを行いながら本覚院へ。入浴のあと写仏、肝試し、親への感謝の手紙を書いて就寝。翌朝は午前5時起床、野積付近の海浜で地引き網体験、歴史教育授業を行い、サンマのつみれ汁をつくり昼食を準備した。
参加者は水はいつでも飲めるが、腹ぺこ塾での食べ物は、初日は夕ご飯となったピンポン玉ほどのごはんと3口ほどの味噌汁だけ、翌朝はバナナの輪切りで1人分は約1.5センチだけ。「いつものバナナと違って、甘かった」と、空腹のなかの1センチ余りのバナナは味も変わっていたようだ。
お昼のつみれ汁の準備で、サンマを3枚におろした子どもたちは笑顔と言葉はなく静か。空腹のせいもありサンマの匂いで気持ちが悪くなる子どもも、少なくなかった。途中、座り込んでしまった男の子は「最後までやる」と、少し休んでは包丁を握ってを繰り返して、やり遂げた子も。最後の力を振り絞って準備を済ませると、ほとんどがぐったりと座り込んだ。
つみれ汁と釜で炊いたごはんができあがり、迎えに来た保護者とともに手を合わせ、「いただきます」と同時にお汁を飲んだり、ごはんを口に。1日ぶりに会った保護者と話すことも忘れ、食べ物ありがたさを感じ、次々とおかわりできる喜びも味わっていた。