加茂市岡ノ町、貸しアトリエ「あとりえ きっか」では、28日から10月2日まで「石塚基之〜彫刻と水彩〜展」を開き、中学校の美術教諭を務めながら日展など中央でも活躍してきた田上町の彫刻家、石塚基之さん(75)の作品を展示する。
石塚さんは1935年に佐渡に生まれた。新潟大学芸能学部彫刻家を卒業し、日展をはじめ中央展での受賞歴は数えきれない。平成16年3月まで加茂市の七谷中、須田中、葵中で美術の非常勤講師を務めた。新潟県美術家連盟参事、新潟県彫刻会会員。
今回は近年、制作した「こども」シリーズを含む彫刻8点と水彩画11点の計19点を展示し、彫刻は見るだけでなく、ふれて楽しむこともでき、子どもからおとなまでだれでも気軽に鑑賞できる。
アトリエに入ってまず目に飛び込むのが、作品の黄、赤、青の鮮やかな彩色した、高さ60センチ余りの石こうを直付けした作品だ。タイトルは「紙袋を持っている子」。頭を大きくデフォルメし、ユーモラスな表情の子どもを立体化している。
彫刻でも中央の美術展で入賞した「蝉とりをしている兄弟」は、ブロンズ色1色のどっしりとした作品。水彩画でもピンク色や水色の優しい色合いの花や静物から、油絵のタッチのようで色のトーンを抑えた自画像や子どもたちを描く。柔らかなラインは共通だが、1人の作家とは思えないようなさまざまな表現方法の作品が並ぶ。
石塚さんは、新潟市・新潟県点字図書館で開かれた「ふれて楽しむ美術展」の出品も依頼されている。近年は視覚障害者も楽しめるアートを意識し、ふれて楽しめる形状を工夫している。午前10時から午後5時まで開場、入場は無料。