燕市は10月1、2の1泊2日で町田市・燕市交流事業「農業体験ツアー in つばめ パートII」を行っており、東京都町田市から参加した親子3組、12人が燕市内にホームステイし、農業や自然を体験している。
燕市が町田市に首都圏アンテナショップ「えちご燕物産館町田店」をオープンしたのをきっかけに始まった事業で、両地域の市民の交流を図ろうと昨年初めて行い、ことしは2年目。町田市の4年生以上の小学生と保護者に定員45人で参加を募ったが、市内の小学校の多くが運動会の日に当たり、12人の参加にとどまった。
一行はバスに乗って1日昼前に来燕。吉田産業会館で農村地域生活改善アドバイザーの手料理で昼食のあと燕市産業史料館を見学したあと、まずは燕市下児木、小杉農園(小杉直農園主)でナシの収穫体験を行った。
収穫したナシは最盛期を迎えた品種「南水(なんすい)」。赤ナシ系で甘みが強いが栽培が難しく、店頭では1個200円前後で売られている。小杉農園主にはさみを使う必要はなく、果実を手でもぎ取るが、なるべく枝を傷めないように果実を持ち上げて収穫する方法を実演してみせ、参加者からも挑戦してもらった。
説明通り収穫は簡単だ。棚の高さは160センチくらいでおとなは腰を曲げて歩かないと頭をぶつけるが、手の届かない子どもはプラスチックケースを踏み台にしたり、お父さんにだっこしてもらったりして収穫。もぎる取ると同時にナシのずっしりした感触を味わい、おとなも子どもも思わずにっこりだった。
メジャーな品種の「廿世紀(にじゅっせいき)」との食べ比べも行い、「廿世紀」より「南水」の方が甘いことも自分の舌で確認し、「なんか南水の方が好き」、廿世紀は「昔、食べた味」とそれぞれに感想を話していた。
それ以上に子どもたちは、ナシの木の至る所についているセミの抜け殻に大喜び。おっかなびっくりでバッジのように胸につけてキャーキャー言ったり、足元で跳ねるコオロギを追いかけたりして都会では味わえない自然の恵みに目を輝かせていた。
このあとは市内の別の農家へ移動してキュウリとイチジクの収穫を体験し、道の駅国上で秋野菜を使った秋野菜カレーや米粉を使った米粉しょうゆ団子を献立に夕食づくりを体験。市内の農業関係者の家に泊まり、翌2日は東京ヤクルトスワローズのマスコット「つば九郎」も参加する田んぼアートの稲刈り、燕青空即売会を体験して帰る。