鈴木力燕市長は5日行った定例記者会見で、来年9月に加工技術の国際会議が燕市で開かれることなど8項目を発表した。
加工技術の国際会議は、「第10回加工技術の進歩に関する国際会議「ICMPT2012」が来年9月25日から27日まで燕三条地場産行振興センターで開かれることに決まった。会議のテーマは切削・研削加工、工作機械、特殊加工、CAM・FMS・CIMS生産技術、そのほか加工に関する技術で、公益社団法人精密工学会、北京航空航天大学、燕市が主催し、広島大、広島工大、島根大、東京大、東京工大をはじめ県内は新潟大、長岡技大の国内24大学の研究者と6つの研究機関などからの委員で構成する。
精密工学会の難削材加工専門委員会が中心となってアジア地域の生産加工技術のレベル向上を目的にこれまで9回開かれ、国内外の大学の研究者から加工技術に関する研究発表が行われている。
10回目となる燕市での開催は、国内では大阪府、島根県松江市に続いて3カ所目、東日本では初めてになる。この機会に、会議出席の各国の研究者、またそれに伴う参加者に対して、金属加工集積地としての当市産業を積極的PRするとともに、市内視察を通じて産業や観光と燕市を広く発信していく。
燕市での開催決定に至る経緯について鈴木市長は話し、ことしから商工観光部で新産業アドバイザーに県工業技術総合研究所の元所長で新潟大学特命教授の嶽岡悦雄さんを委嘱した。嶽岡さんと燕市の産業の発展について議論、相談するなかで、製品は世界で評価されているが、高度な加工技術や要素技術も集積しており、「その辺の強みをもっと世界的に発信していく必要がある」と嶽岡さんのネットワークでICMPTが開催地を探していることを知り、誘致を図った。
また、円高が進むなか、産業の空洞化など危機感をあおってもしようがなく、日本の大手企業との関係だけで考えず、地元企業が「直接、海外といろいろと取り引きをしていく、結びついていく、そんな風に発想をもう少しポジティブに考えていく必要もある」。そんなときに直接、海外の関係者から燕の技術を見てもらい、知り合いになり、「これをきっかけにダイレクトに燕の中小企業がいろんな海外と加工技術で取り引きしていく、そんなこともこれから期待しつつ企画を考えていきたいなという風に思ってます」と話した。発表票項目は次の通り。