ことしを燕で金属洋食器製造100年として記念事業に取り組む日本金属洋食器工業組合(田中正勝理事長)は、その集大成として12月3、4の2日間、それぞれ午前と午後の計4回、金属洋食器にちなんだローカル検定「カトラリー検定」を行う。
5日に田中理事長が記者会見して検定の内容を発表した。検定開始は2日間とも午前11時と午後2時の2回。検定は4択問題が50問で、60分、公式テキストから80%以上を出題。公式テキストは持ち込みOKで、合格基準は正解率70%以上。合格者には100周年の記念バッジを贈る。受検料は2,100円、中学生以下は1,050円。
公式テキストはA4判135ページで、序章の「燕産地とカトラリー」から「燕産業のルーツを探る」、「主なカトラリーの種類」、「カトラリーが出来るまで」、「洋食のマナーと知識」、「暮らしとカトラリー」の5章、そして終章「日本金属洋食器工業組合設立50周年の歩み」で構成。同組合と燕市役所各庁舎、ブックセンターで販売する。
記念バッジは「ピンズ」、「ピンバッジ」と呼ばれる、布に針を通して裏側のキャッチで留めるタイプ。一昨年の新潟国体で燕市内の企業が記念バッジの製作を受注してすでに製作のノウハウがあり、今回も既製のキャッチ以外は市内数社で製造した。ステンレス製で表にレーザー彫刻で100周年記念事業のシンボルマークを刻んでおり、金属加工の町にふさわしいメタリックで高級感がある。
受検申し込みの締め切りは11月4日。田中理事長は設問例として「コーヒースプーンとティースプーンは一般的にどちらが大きいでしょう」、「フォークの片側の刃の部分が一本だけ太くなっているのは何フォークか」を示した。
「今回は何が何でもご無理を申し上げて市長さんから受けてもらいたい」と田中理事長。同席した鈴木力市長は、すでに勉強を始めていると答え、「今まで知らなかったこともありますので、いい機会と思いますのでぜひ、受けさせていただきたい」、「わたしもわたしなりにPRさせていただきたい」と話し、会見後はさっそく受検申込書に記入した。
田中理事長は、洋食器製造は「金属加工のまち燕の大本になっている技術」なので「大いにわれわれは自信をもち、今後とも継続して技術を研さんしていくつもり」。ただ、「すでに金欠病にかかっておりまして、このあとは市長さんの顔をちらっと見ながら話をさせていただく」と笑わせ、「こういうものは1回で終わると意味が薄れる」ので、「金欠病の解決方法を後ほどご教授をいただきたいと思っております」と鈴木市長に頭を下げた。
ことしは金属洋食器製造100年記念事業として記念式典とコンサートや燕市産業史料館で企画展などに取り組んだ。カトラリー検定はそれら事業の締めくくりで、田中理事長は「いちばん最後の締めがきちんと立派に締めることができれば、この100周年の記念事業は大成功だったと思います」と支援、援助を求めた。