三条市水道局大崎浄水場で8日、国登録有形文化財登録記念イベントが行われ、同浄水場の一般公開やライトアップに大勢の市民が来場して自分の目で同浄水場の文化財的価値を確かめた。
ろ過池を備えた浄水場の事務室棟や旧番宅、浄水関連の建造物など同浄水場の関連施設など12件が国登録有形文化財となることが決まり、あとは官報告示での正式決定を待つばかり。一足早く市民あげて登録を祝おうと三条市がイベントを行った。
施設の一般公開をはじめ、保育園児による和太鼓演奏、水風船やポストカード、茶会、聞き水大会、見学ツアー、そして夜はライトアップも行った。好天も手伝って予想を上回る来場があり、長岡造形大学の平山育男教授による見学ツアーには定員30人のところ、その2倍以上の70人が参加した。
そして夜は「キャンドル&ライトアップ」。建造物と配水池をもつ通称「水道山」の通路などを約1,300ものキャンドルと12の投光器でライトアップ彩った。建造物の多くは昭和8年の建築で、そのなかでもシンボリックな事務室棟は投光器に照らされて輝き、ろ過池の水面にその姿を映して幻想的な風景を見せた。
同浄水場は6月の水道週間で場内を開放しているが、それ以外は衛生面などから開放することはない。とはいえ、水道山はサクラの巨木が並び、サクラが満開になると山がピンクに染まり、昭和の初めは場内にちょうちんを下げて夜桜見物に開放していた時代もある。それ以来の夜間開放となった。
なかでも来場者を感動させたのが、水道山頂上から見下ろす三条の夜景。山頂まで歩いて2、3分でしかないのに、宝石をちりばめたような夜景の美しさは想像以上で、口を合わせたように「すごーい!」と声を上げて次はいつ見られかわかならい貴重な風景を目に焼き付けていた。