三条市の国定勇人市長は11日午前行った定例記者会見で、西鱈田小を対象にした全国初の新児童見守りシステム「C-Shuttle(シーシャトル)」の試験運用や記録的豪雨で被災して営業を休んでいた日帰り温泉「いい湯らてい」の11月11日リニューアルオープン、11月28日の三条市出身TOKUのデビュー10周年ジャズライブなど14項目を発表した。
「C-Shuttle」はNTTコミュニケーションズの新システム。児童がGPS付き小型端末をランドセルにつけて登下校することで、保護者は携帯電話などで児童の位置情報を確認でき、保護者の携帯電話などに登下校通知のメールを受け取ることもできる。
三条市は大崎小学校を対象に地域児童見守りシステムを運用しているが、方式が異なる。大崎小のシステムは、電柱にICタグリーダーを設置し、それが最寄りの電柱に設置されたICタグリーダーと通信することで間接的に位置情報を取得するのに対し、今回のシステムでは、児童が携帯する「C-Shuttle」の端末がGPSを機能を備え、それぞれの端末がGPS衛星の信号を受信し、位置情報を取得する。
端末が取得したデータを通信するのに使うのが、同校学区内に設置する保護者宅16カ所、公共施設8カ所、市職員自宅4カ所の計28カ所に設置した基地局。Wi-Fiによる無線LANで児童が持つ端末と通信し、インターネットでNTTコミュニケーションズが運営するC-ShuttleセンターNNに位置情報を集約。保護者はそこに携帯電話でアクセスし、今、子どもがどこにいるかを確認し、登下校の通知メールも受信できる。
児童が携帯する端末は、8×3×2.5センチの大きさで、ホルダーに入れて携帯する。この日夕方に同校で保護者説明会を開き、翌12日から来年3月31日まで試験運用する。試験運用期間中の保護者負担はない。
日帰り温泉「いい湯らてい」のリニューアルオープンは、7月の新潟・福島豪雨災害から冠水被害で休館した同館が「1」並びの11月11日午前11時11分からオープニングセレモニーを行ってグランドオープンする。同館はボイラーなど主要設備が壊れたが、東日本大震災もあって部品などの入手が困難になり、営業再開まで実に3カ月余りを要する計算。もっとも被災からしばらくは営業再開のめどすら立たない状況だったことを考えると、予想より早い営業再開ともいえる。
被災直前の6月にもテレビ付きリクライニングシートの導入などプチリニューアルしたばかりだったが、以前から単なる営業の再開ではなく「あっと驚くようなことを」と話していた国定市長の言葉通り、リニューアルまで盛り込んだ。
具体的にはロビーや「お食事処 はくちょう」、「レストラン ふるさと」の内装や設備をブラッシュアップし、より周りにある自然景観とあわせる形に内装の全体的な統一、さまざまな客の形態にあわせた空間づくり、一部は完全に和を排除した洋の概念を取り入れ、工夫を凝らした。
11月11日から13日まで風呂イベント、11日から2週間はオープン特別メニューの提供、オープンに先だって7、8日はプレオープンし、「いい湯らてい」会員のうち抽選で60人を2日間に分けて招待し、新レストランで提供するコース料理でもてなす。
TOKUのデビュー10周年ジャズライブは11月28日に三条市中央公民館で開く。TOKUは三条市出身のジャズシンガーでフリューゲルホルン奏者。シンディ・ローパーのニューアルバム『Memphis Blues』の日本盤だけのボーナストラック「Don't wanna cry」に参加、シンディの来日公演でも演奏するなど国内外のミュージシャンの高い評価を集めている。
本県でのライブも多いが、デビュー10周年にして初めて故郷、三条市でのライブが実現。今春、デビュー10周年記念アルバム『TOKU sings&plays STEVIE WONDER』をリリースしており、今回は5人編成のユニットで凱旋する。全席自由で前売り券は3,000円、この日11日に発売。ライブ前日27日は地元中学生を対象にジャズクリニックも行う。会見で発表した14の項目は次の通り。