NPOにいがた災害ボランティアネットワーク(川瀬和敏理事長)は10日、7.29新潟・福島豪雨水害支援活動報告・意見交換会を開き、先の豪雨災害に伴って設置された三条市災害ボランティアセンターの活動を振り返り、そこで得た経験や教訓を意見交換した。
今回の水害で支援活動などに取り組んだ県内のボランティア関連団体から20人近くが参加。鍋嶋弘樹にいがた災害ボランティアネットワーク理事が「三条市災害ボランティアセンターについて」、川瀬和敏にいがた災害ボランティアネットワーク理事長が「災害支援活動における他団体との協働」をそれぞれテーマに報告した。
さらに李仁鉄にいがた災害ボランティアネットワーク理事・事務局長をファシリテーターに意見交換した。
鍋島理事の報告によると、三条市災害ボランティアセンターは8月1日の開設から35日間、三条地区と下田地区の2つの本部と保内地区にサテライトを開設し、合わせて個人2,067人と67団体の968人、計延べ3,045人のボランティアを派遣した。活動は水害後の最初の週末がピークだった。
三条市は2004年の7・13水害でも災害ボランティアセンターを設置しており、そのノウハウの蓄積から今回の活動ははるかにスムーズで、大島地区の果樹被害や下田地区の棚田再生などに課題は残るが、いち早いボランティア受け入れの判断は間違っていなかったとした。
川瀬理事長は7・13水害よりボランティアの数はずっと少なかったが、反面、7年前はノウハウも少なく、ボランティアの数の多さに振り回されていたことを思い返した。7年前の課題が今回、解決されたものもあればされなかったものもあった。李事務局長は、ボランティアの住む地域の内訳が市内20%強、県内50%、県外25%と市内が少なめだったことも付け加えた。
意見交換では、ボランティアの対応能力とのバランスを考えるとあるていどの活動対象の線引きはやむを得ない、活動は要援護者、一般家庭、店舗の優先順位を忘れない、学校グラウンドの土砂の撤去に対するボランティアの利用に教諭は消極的だったなど、さまざまな感想や意見が出た。
燕三条青年会議所は社協や同ネットワークなど各団体との連絡、パイプ役となることが重要で日常的なつながりを大切にしたいとし、ほかの団体からも異業種との連動の重要性、ボランティア活動を周知するための広告業界との連動などを求める意見もあり、次々と話が広がった。
同ネットワークは7・13水害後、そこで得たノウハウを将来の災害に生かそうと発足。今回の水害では、三条市社会福祉協議会が三条市災害ボランティアセンターを開設したが、現場での運営は同ネットワークが核となって機能した。
水害から2カ月半近くたって開催したこの日の会議では、少なくとも泥縄式に災害が発生してから関連団体で連携を取り合うので、平時から団体間で緊密な連携が撮り続けることが重要である点で出席者の考えは一致。そのための具体的な手法を検討することになる。