加茂青年会議所(桑原宗巳理事長)のこども未来創造委員会(牛腸総一委員長)が取り組んできた加茂市内の小学生が地元にちなんだフレーズを紡いでふるさとの曲をつくり、小学生が歌ってCDを作成するプロジェクトのレコーディングが13日夜、加茂市内で行われ、あとは22日のCD発売を待つばかりだ。
この小学生でつくる合唱隊は名付けて「いいかもフレンズ」。メンバー27人でスタートし、7月に加茂山中腹にある青海神社に一泊合宿を行って加茂山や加茂川沿い、駅前商店街を歩いてフレーズをひねりだすワークショップを行った。
そのフレーズを同市本町3、音楽会社「オトノハコ」の笠原厚浩社長(50)が紡いで歌詞を仕上げ、さらにゴスペルの曲想で作曲し、『わすれない』を完成させた。Aメロを同社所属アーティストのシンガー小宮陽子さん(27)=新潟市=が歌い、Bメロを小学生が歌う。歌のレッスンを繰り返し、9月25日に加茂山で行われたイベント「AKARIBA 2011秋」でもアトラクションとして合唱を披露している。
レコーディングは、子どもたちの合唱指導を行い、曲のなかでフルートを演奏する本宮宏美さん(27)=燕市=がレコーディングでも子どもたちをリードした。この日は20人が参加し、まず全員でオケに合わせて合唱を録音したあと、録音ブースに4人ずつ入ってレコーディング。それを5回繰り返して全員がレコーディングを体験した。
笠原社長がパソコンの前に座ってレコーディングエンジニア。子どもたちはヘッドホンを付け、防風ネット越しにマイクに向かった。扉を閉じると無音になるブース。テレビで見るようなレコーディング現場と同じようすに緊張する様子もあったが、元気に大きな声を出していずれも「一発OK」でレコーディングを終了した。
今回の企画を持ち込まれて笠原社長は及び腰だったが、何とか実現したというJC会員の熱意にもほだされて小学生との音楽制作にかかった。小学生が通う学校は別々なので最初はおとなしかったが、合宿であっと言う間に打ち解けた。
本宮さんも、「あんなにおとしなかった子どもたちが、しかも短期間で歌えるようになり、成長の速さに驚きました。AKARIBAでは最後の打ち合わせで決めたことも本番でちゃんとできて感動しました」。
笠原社長は、「全国的にも例のないことで、発表会で終わるのでなく、歌詞が増えるのもいいし、いろいろなストーリーが描けると思いますよ」と今後の広がりにも期待する。
小学生が帰ったあと、オブリガートを中心とした本宮さんの演奏の残りもレコーディングして音録りを終わり、CDのジャケットデザインもできているので、あとは笠原社長がマスタリングしてCDをプレス、パッケージして完成だ。
CDにはこの日のレコーディングとそこから歌を抜いたカラオケ、さらにAKARIBAでの演奏の録音を含む3曲を収録し、1枚500円で「オトノハコ」のホームページからオンライン販売し、アマゾンでも販売、アップルのオンラインストア「iTunes」でも販売する。問い合わせは同社(電話:025-211-2213)へ。