11月25日から12月7日までに東京、兵庫、名古屋の順に5日間の公演が行われる「WAKI-GUMI」(脇組)によるシェイクスピアのハムレットを題材に日本の戦国時代に置き換えた舞台「SHINGEN〜風林火山落日〜」で、舞台の裏方で活躍する三条市出身の女性が演出助手を務める。
公演は11月25、26、27の3日間、北千住駅前のシアター1010で公演したあと、12月2日に兵庫公演を宝塚バウホールで、名古屋公演を名鉄ホールでそれぞれ行う。
脚本、演出は東日本大震災で原発事故の影響を受けた福島県南相馬市原町区の出身。キャストは和泉元彌、稔幸、竜小太郎、堤大二郎、名高達男などテレビでも有名な役者が名を連ね、4人の宝塚出身者、一卵性双生児デュオ「ON/OFF」の坂本直弥、和弥の2人も出演。「ハムレット」を題材にダイナミックな剣舞と華麗な舞、迫力の殺陣を織り交ぜて勇壮な武田家滅亡の悲劇を描く。
演出助手を務めるのは三条市塚野目出身の「さっちゃん」こと久住幸子さん(32)=東京都練馬区富士見台=だ。何あろう加茂農林高校に演劇部を創設、初代部長に就いたのが久住さん。父がカラオケなどを企画するような仕事も手伝っている姿を子どもながら見ていて自然と好きになり、「歌やステージを横から見る職業に就きたい」と思うようになった。
高校卒業するといてもたってもいられず上京。さっそく舞台の裏方で働くようになった。今は主にフリーで舞台監督助手を務める。関係者に呼ばれて年数本の公演に参加するが、公演のないときはフリーターで食いつなぐ。生活も決して楽ではない。
それでも今の仕事を続けられのは有名人に限らず「いろいろな人に会えること」。一方で腰が痛かろうが風邪をひこうが代わりの効かないポジションなので責任も大きく、ひいてはそれが励みにもなる。
22日土曜の舞台げいこは終わって夕方、居酒屋を訪れた久住さんはすっぴんで、さすがに疲れたようす。今回は演出助手だが、舞台監督助手の範疇の仕事も頼まれ、いつにも増して忙しいんだとか。それもこれも能力があればこそで、きゃしゃな体で大きな責任を受け止める。
今回の舞台は“技術モノ”と呼ばれるもので、殺陣とか槍舞(やりまい)、狂言の場面もあり、もちろん狂言は和泉元彌が演じ、劇中劇のような感じになる。「物語のストーリーを追うのももちろんですが、ショー的な楽しさも味わってもらえれば」とPRにも懸命だ。
前売りチケットは東京公演がA席7,000円、B席5,800円、兵庫公演と名古屋公演はいずれも7,500円。いずれもすでに発売しており、詳しくは公式サイトで確認できる。