燕市中央公民館では、寄付を受けたテーブルを燕市総合文化センターのホールなどに設置。簡単な打ち合わせなどができるスペースとして利用者に喜ばれている。
燕市内の飲食店からテーブル10台の寄付を受けてこの秋、1階の玄関を入ってすぐのホールに4台、エレベーターホールに2台、そして燕市文化会館の展示ホールに4台を設置した。
ホールは中央公民館で行われる教養講座やサークル活動の参加者をはじめ、施設を借りる利用者などが出入りする。以前からソファを設置しているが、談笑や休憩でくつろぐには十分でもちょっと込み入った文字通り「前のめり」な話には向かない。
テーブルを設置したことでノートや紙を広げてメモを取ることができ、ノートパソコンを広げることも。講座の前後の打ち合わせに利用する人が多く、好評だ。
もうひとつ、隠れたポイントがある。テーブルの寄付に合わせて用意したいすだ。一見して古いものであるとわかる。細い金属パイプと薄い座面と背もたれが組み合わされたもので、所々ビニールが破れ、さびも浮いている。
このいすは水道の塔の中にあった。今年度、水道の塔の改修工事を行うのを前に昨年、水道の塔の内部を掃除したところ、このパイプいすが見つかった。紅白2色あり、使える状態のものが約60脚、格納されていた。
実は燕市総合文化センターの3階には結婚式場があり、そこで使われていた。物資が窮乏した戦後、結婚式の簡素化が推奨され、公民館など公共施設で結婚式が行われ、合同結婚式も行われた時代がある。
その名残でもあり、同センターが建設された昭和40年代に購入されたものと思われ、半世紀前のいすということになる。そう思ってあらためてパイプいすを見ると、当時のモダンなデザインを感じることができる。
とくにホール床の円をモチーフにしたデザインのタイル張りと一緒に見ると、昭和のレトロな雰囲気に。ナウなヤングがワンサカ集まり、はっぱふみふみしながら、モーレツに学習するスポットに生まれ変わり、「やったぜ、ベイビー」大成功だ。