国内各地の青年会議所を会員とする全国組織の公益社団法人、日本青年会議所は26日、燕三条地場産業振興センターで日本青年会議所北陸信越地区協議会の2012年度の事業説明会を開き、日本青年会議所の来年度事業を北陸信越地区の各地会員会議所(LOM)に示し、連携を求めた。
JCは1月1日が年度替わりで、次年度を前に日本JCは国内10の地区協議会別にそれぞれ次年度の事業説明会を開いている。北陸信越地区協議会は新潟、長野、富山、石川、福井の5県、68の青年会議所、4,000人近いメンバーで構成する。
燕三条地区で北陸信越地区協議会の事業説明会を開くのは、燕三条JCの前身でもある三条JCが北陸信越地区協議会会長を輩出して以来35年ぶり。燕三条JCの元理事長、長谷川直哉さんが来年度、北陸信越地区協議会の会長に出向が決まったことから燕三条JCが北陸信越地区協議会の事業説明会を担当した。
事業説明会には来年度の日本JC役員、北陸信越地区協議会のJC役員など約300人が参加。開会式で北陸信越地区協議会の来年度の長谷川会長はあいさつと趣旨説明を行った。
長谷川会長は、来年の日本JCの事業を「1日も早くお伝えしたい」と言い、来年度会長の予定者段階から事業計画にかかわるなかで、「これだけ豊富で深いメニューがあるのかと思い知らされた」。「きょうの事業説明会をきっかけに深く深く日本JCの事業をうんと知っていただいて、皆さまのLOMにとって本当に役に立つ、皆さんにとって有意義な活動になるようぜひともお持ち帰りいただく場としていただきたい」と期待した。
日本JCの来年度会頭の井川直樹会頭はあいさつで、日本JCが事業を強制したり押しつけたりすることはなく、来年度も「ぜひ皆様にともに運動を進めていただきたい」と協調を求めた。
東日本大震災からの復興の秩序正しい姿勢が海外からも評価されたが、大きな災害でもなければそうした美しい精神が「表に出せない、そんな時代になったのかも」と危惧し、「平時においてもわたしたちが心にもっている日本のプリンシプルを呼び戻す、そのことにより凛然とした誇りある国、日本を創造していきたい」とした。
来年度の日本JCのスローガンは「呼び覚ませ日本のプリンシプル!」。その意味を説明し、「プリンシプルを呼び覚ますことにより、この国の今の閉塞感を打ち破り、輝かしい未来への確かな歩みを始めることができると、わたしは信じています」。
東日本大震災発生から約8カ月たって被災地の報道は減り、復旧はしても復興の確かな道すら見えない現状を憂う一方、日本JCは被災地を忘れず、自然災害を風化させずに「しっかりとした復興が果たせるときまで、継続的に取り組んでいきたい」。「取り組みを忘れず、復興の確かな歩みを自らの目で確認し、多くの人に伝えるためにも」毎年、3月に東京で開いている日本JCの総会を来年度は岩手県盛岡市で開く。3月10日に開き、震災から丸1年となる翌11日は復興創造フォーラムと慰霊祭を行う。
来年度は人的資源の磨き上げ、発達に取り組みたいとし、そのためにも日本JCとLOMの連携強化が必要。より良い日本に住み続けるには、教育、憲法、領土、領海の問題、さらには海外から武力行使を受けるかもしれないという危機感を誰かが考えなければこの国の未来はなく、「ともに今、この国を責任世代として生き切る20代、30代のわたしたちがしっかりと考えなければ、40代になったときに考えることはない」と自覚をうながした。
「2011年度副会頭がおっしゃっていた、LOMとともに歩み、その姿勢をしっかりと継承しつつ、常に皆さまの隣りでともに運動を展開する、そんな日本JCでありたい」。年度替わりまでまだ2カ月余りあるので、日本JCの来年度事業への意見や提案も求めた。
このあと国家、人的資源、地域、国際、総務の5つのグループで順に事業説明を行う一方、別会場でLOM運営セミナー、その後、全員が参加して意見交換会を開いた。