25日から29日まで来日しているフランス国立アルカッション・ホテル工業学校の生徒4人が27日、藤寅工業株式会社=燕市物流センター1=の工場見学を前に燕市役所へ立ち寄り、鈴木力市長を表敬訪問した。
生徒は4人は18歳から20歳までで男性のブウルダン・ウィリアムさん、フォイル・ブノワさん、女性のデサーブ・ネリーさん、ジョッサム・オレリアさん。アルカッション校の調理の先生、ボノー・デルフィーヌさんが引率し、アルカッション校と姉妹校で生徒らを招待した新潟調理師専門学校=新潟市中央区東幸町8=の吉田育子校長と鍵冨茂日本料理専任講師も同行した。
燕市長は「皆さん、ボンジュール」とあいさつ。燕市の産業、農業、分水おいらん道中、背脂ラーメンなどを紹介し、アルカッション校では藤寅工業の藤次郎ブランドの包丁を使っていると聞いたことを喜んだ。「ぜひ新潟、さらには燕市のことを記憶に残して本国に帰っていただきたい」と求めた。
吉田校長は表敬訪問した経緯を話した。アルカッション校は約300人の生徒があり、フランス料理の調理やサービス技術を学んでいる。新潟調理師専門学校は1994年からアルカッション校と姉妹校になり、毎年、同校からアルカッション校へ生徒数人が短期留学で訪問している。同時に毎年、アルカッション校の生徒を日本へ招待して、ことしで7年目になる。
吉田校長は昨年、ことしと燕市・道の駅国上で開かれた料理コンクールで審査員を務め、ことしは燕市が金属洋食器製造100周年と知り、「なぜ市長さんに表敬訪問しなかったんだろう」と今回の訪問になった。今回の生徒たちは先に日本を訪れた先輩から「絶対に包丁を見てくるように言われた」。
ボノーさんは、出発前から生徒は工場見学の日を待ちに待っていたと言い、教授の立場から日本のすばらしい切れ味の包丁をこれからどんどんフランスに紹介するお手伝いをさせてほしいと話した。
鈴木市長からアルカッション校のボノー先生にナスをかたどった鎚起銅器、生徒に保温性の高い二層構造のマグカップをプレゼント。お返しにボノー先生から鈴木市長にボルドーワインを手渡した。
日本金属洋食器工業組合(田中正勝理事長)は12月に燕市でカトラリー検定を行うが、鈴木市長はその公式テキストも紹介。テキストに掲載されたイチゴやメロンなど対象によって細分化された燕のスプーンはフランスの生徒も見たことがなく、テキストに興味津々だった。生徒はこの後、同じように姉妹校となっている群馬県の調理師専門学校も訪問する。