三条市在住の退職教職員でつくる「一体校問題について市教育委員会の考えを聞く会」(永塚光雄代表・会員約60人)は27日、三条市が第一中学校区に建設を進める小中一体校問題を中心に疑問点を三条市教育委員会に質問、その答えを聞いた。
考えを聞く会では、7月13日付けで疑問を書面にして教育委員会に提出し、面談を申し込んでいた。教育委員会によると、その後発生した水害対応、そして9月定例会などを理由として3か月が経過したこの日の開催となった。
午前9時半から三条市役所栄庁舎で開会。永塚代表をはじめ、同会の役員9人が出席。三条市教育委員会からは、長沼礼子委員長と松永教育長をはじめ教育委員計4人と教育委員会事務局が出席。
永塚代表は、開会時のあいさつで、一体校問題の賛否は別として「かつて教職にあったあなたはどう考えるかと市民に聞かれても答えようがない、学区市民の意見を十分に聞いての統廃合かと疑問をもつ人も」あり、個々に勉強してきたが、ことし6月に三条市在住の退職教職員有志が集まり、「一体校問題について、会として真剣に話し合い、考え、教育委員会にお聞きしたいことをと集約してきた」と質問に至った経緯を話した。
また、7月13日に疑問を聞く会の開催依頼と疑問点をまとめた文書を松永教育長に届けてから開催まで3カ月かかったことについて、「すでに決定されてからようやくもたれることは、わたくしたちにとりましては残念なこと」と述べた。しかし、第一中学校区の一体校設立が決まっても「三条市学校教育の方向やあり方にもかかわる問題」と考えており、遠慮ない意見を求めた。
質問は、教育委員が地域の声をどうやって聞いてきたか、学校の適正規模をどう考えるか、理想の学校とは、バス通学の問題をどう検討したか、一体校と連携校は今後の三条市の教育形態はどのようになるのか、学校選択権を認めるか、一体型と連携型の教育の間で格差は生じないかなど。「三条市教育委員会はその場主義ではないのか」などと厳しい指摘もし、疑問点を率直に聞いた。
2時間半の会の最後、閉会のあいさつで聞く会の役員は、統合されればなくなる小学校のひとつ条南小学校の設立経緯などを話し、「今となっては議会議決もあっていたし方ありませんが、そうした地域住民、三条市民が大勢いたということをお忘れにならないで、これからの諸問題に本当に真剣に当たっていただきたい。十分、地域住民の声をお聞きして、未来の三条市の力になる子どもたちの健全育成のためにご尽力をお願いしたい」と求めた。
同会では会員に対して今後、文書や総会など方法を検討して結果を報告する。