バイオマスタウン構想に取り組む三条市では27日、給食の残りなど生ごみをたい肥に変える資源循環の新たな拠点施設「三条市完熟堆肥化センター」の供用を開始した。
同センターは、三条市福島新田乙、清掃センター隣の鉄骨平屋建てで、堆肥棟約561平方メートルと事務所棟約27平方メートル。事業費(本体など建設費)は1億7,214.4万円。
学校給食の残りをはじめ食品製造や飲食店から出た生ごみを堆肥化させる施設。堆肥棟の半分近くを占める発酵槽で、微生物ともみ殻と食品残渣を混ぜて発酵させて堆肥を作る。堆肥になるまで40日から60日かかり、農産物の生産に使われる。
堆肥化の事業は、市が三条エコ堆肥生産協同組合(星野正義代表・6人)に委託。星野代表が経営するクリーン三条(有)=三条市直江町4=では平成16年から生ごみの堆肥化に取り組み、同施設にそのノウハウを生かした。
同センターの特徴は、生ごみのにおいが外に出ないこと。使用する微生物の選択、燻炭(くんたん)したもみ殻の熱や煙を利用した消臭、さらに2重の消臭槽、ミスト状の消臭液を利用したエアーシャワーと5段階での消臭する。また、生ごみや剪定枝など動物系や植物系の割合などを管理し、安定してすぐれた品質の堆肥を生産することができるという。
同施設の処理能力は1日4.9トン。現在は給食の残りを中心に10件ほどの事業系の生ごみを取り扱う。できあがった堆肥の一般への販売は今後、検討する。
バイオマスとは「動植物から生まれた再生可能な有機性資源」のことで、生ごみや間伐材、もみ殻などがある。そのバイオマスを利用して作られた堆肥や燃料は「資源のリサイクル」、「ごみの減量」、「地球温暖化の防止」に役立っており、三条市のバイオマスタウン構想では、堆肥化、廃油用油の燃料化、木質ペレット化などに取り組んでいる。