三条市の東日本大震災の避難所から三条市内のアパートなどに転居した人同士や三条市民と交流する拠点施設「ひばり」=三条市総合福祉センター内= では、1日から福島県から避難している3人が運営スタッフとなった新体制で稼働している。
三条市には福島県南相馬市をはじめ浜通りと呼ばれる福島県沿岸部から大勢が避難し、その数は地震から間もなく8カ月がたとうとする現在も約290人にのぼる。
「ひばり」は、ことし6月末に三条市の避難所のひとつだった総合福祉センター内に開設。雇用促進住宅やアパートで避難生活をする人たちに、ふるさと福島の情報や三条での生活やイベントの情報を発信し、情報交換や交流の場として気軽に立ち寄ってもらいたいと無休で毎日午前8時半から午後8時まで開いている。
管理や運営のスタッフはパート職員の扱いで、これまでは地元採用だったが、11月1日から3月末までの期間の採用では、すでに避難所が閉鎖され、見知らぬ土地でばらばらに避難生活を送る人たちの気持ちがより身近な、福島から避難している人から募集した。新しいスタッフは、双葉町の野村孝さん(46)と南相馬市の花房友記子さん(48)、吉岡雄二さん(44)の3人。
野村さんたちは、「(避難している人たちが)三条で孤立しないで、元気でいてもらえるよう、その手助けをしたい」と話す。具体的な活動はこれからで、避難している人たちが「今、どうしているのか」、「今、何が必要なのか」などをまずは知ることができればと言い、ふるさとに戻った人などとのパイプを利用して、ふるさとの最新情報も収集し、三条にいる人に提供できればと言う。
また、直近の不安は「雪」と言う人も少なくないようだ。浜通りはほとんど雪が積もらない。三条市民からのアドバイスを受け、すでに「スタッドレスタイヤ買ったよ」、「雪かきの道具を買った方がいいと言われた」などと話す人もいる。
野村さんたちは、ふるさとや三条の生活などで不安や疑問などがあれば対応し、「なるべく正確な答えをしたい」。「そのためにもネットワークやつながりが必要」と言う。福島の人にも三条の人にもいろいろな話を聞かせてもらえればと、気軽に「ひばり」を訪れてほしいと呼びかけている。