燕研磨振興協同組合(田中三男理事長)が設置する金属研磨業の後継者育成と新規開業促進のための人材育成施設「磨き屋一番館」=燕市小池=は9日、先に行われた金属研磨仕上げの技能検定に合格、晴れて金属研磨仕上げ技能士となった研修生4人に合格証書を伝達した。
この技能検定は、金属研磨仕上げと金属バフ研磨仕上げ作業を検定する国家資格。「磨き屋一番館」の研修生は定員8人のところ今は7人で、うち今回の技能検定は新潟市と燕市、三条市に住む27歳から35歳までの4人が受検し、4人とも合格。鈴木力燕市長から一人ひとりに合格証書を伝達した。
「磨き屋一番館」は、3年間の研修を行い、修了後に金属研磨仕上げ技能士の取得と新規開業を目指して平成19年に開設された。燕市の高度な技術は国内はもちろん世界からも注目を集める一方、技能検定の受検者は年々減り、かつては毎年、技能検定が行われていたが、近年は数年に一度。「磨き屋一番館」が開設されて以降、今回が2回目の実施だった。
しかし、事業仕分けで金属研磨仕上げの技能検定が仕分け対象になり、今回が最後の技能検定となった。同組合の高橋千春理事は「実技と学科で実力を確認できるので、ものすごくためになる」、「資格が取れれば自信になるんですが」と技能検定が無くなることを残念がる。
高橋理事が1年半前に今の理事職に就いてから「磨き屋一番館」で仕事が無いということはない。厳しい経済環境だが研磨業の先行きには「いい仕事をすれば必ず声がかかる」と期待感が大きい。