12、13日と燕市の研磨業者でつくる「燕磨の会」が燕市つばめの茶の間で初めての作品展「職人たちの休日。」 (2011.11.12)

燕市内の研磨業者を会員とする親ぼく会「燕磨（えんま）の会」（長谷川隆夫会長・会員19人）は12、13の2日間、燕市つばめの茶の間＝燕市燕＝で初めての作品展「職人たちの休日。」を開き、会員が仕事を離れた趣味や活動で手掛けた作品や成果を持ち寄って展示している。

出展したのは会員19人のうち14人のほか、会員の知人の作品も。戦艦のプラモデル、観光地で集めた地名入りのちょうちん、ジグソーパズル、パッチワーク、組みひも、菊花、廃線前に撮影した新潟電鉄の動画などさまざまだが、作品がかりでなく成果物もある。

佐渡で釣った体長70センチ、重さ7.5キロのタイを抱えた写真は、今回の作品展を開くきっかけになった。ほかにも、昭和56年の新潟県アマ将棋で優勝したときの盾、70歳を過ぎた会員が20歳代のころにスキー検定1級をしたころにスキーで滑走する姿を撮ったすっかり色あせた写真、70歳代の会員が子と孫の3代5人で自転車で弥彦山を駆け上がる弥彦山ヒルクライム大会に出場した写真。当たり前だか、会員にも仕事上では知ることのできない休日の別の顔があることを教えてくれる。

初日12日は散歩したくなる絶好の秋晴れで、近所の人や通りがかりの人、部活帰りの中学生も来場した。会員も入れ代わり立ち代わり訪れ、会場には“燕もん”には懐かしい研磨工場のにおいも。「人がしねこと、しんばだめらこてや」、「南京豆らって作ったこてや」、「子どもらってつくったいや」、「のめしってもんだねっか」、「ごーぎあねー」と生粋の燕弁が飛び交い、冗談や身の上話で盛り上がり、燕の磨き屋で職人の休憩時間に居合わせたような雰囲気だった。

一昨年8月に燕市内の研磨業者を会員とする燕研磨工業会が解散したが、引き続き同業の気の合う磨き職人で親ぼくを深め、自分も磨きもとその年に暮れに燕磨の会を発足。忘新年会と秋の旅行、そのほかにもイベントなどを行っており、昨年は製造から14年たった飛燕夏まつり名物の豚汁を調理する大鍋を磨くボランティアを行った。

今回の作品展は、仕事以外のプライベートな趣味や活動を互いに知ることで親近感がわき、より付き合いを深められると企画。作品を出すよう求めても何もないと言いながら、一抱えもある作品をどさっと持ち込んだ人もいる。

会長の長谷川隆夫さん(59)＝八王寺＝はワールド研磨ハセガワの社長で、研磨業に就いて約35年。かつて燕の研磨業は花形で、同じものだけ磨いていれば良かったが、今はどんなものでも磨けなければならない。家を新築した直後にバブルがはじけて仕事が激減。最近でもリーマンショックで大打撃を受けたが、そうした苦境を乗り越えて今がある。

「なかなか経験と腕がねーと商売にならんね」と長谷川さん。厳しい環境にあることは変わらないが、この作品展では会員から予想を上回る作品が寄せられたことを喜ぶ。自身は20年前に子どもが縁日で買って体長20センチ以上にまで育てた2匹のミドリガメを持ち込み、子どもたちの人気を集めていた。

「一人ひとり意外なとこがわかるんだいね」と気づきが多かった。「きょうあしたの様子を見て、今度は作品のために粘土でなんか作ろうとかなればいいけど、やめよーれってなんかなるかも。できるだけ続けてーね」と笑い、恒例にしたい考えだ。

13日は午前10時から午後4時まで開き、午後1時から先着25人に焼きいもをプレゼントする。会場前の大通りでは定期市が開かれる日にも当たり、12日を上回る人出でにぎわいそうだ。会場の燕市つばめの茶の間は、第四銀行燕支店の向かい。