小池清彦加茂市長は11日会見を行い、県央医療圏の救急救命センター設置などを検討する関連で、県が「県央医療圏医療提供体制検討会議(仮称)」を設置することに反対する考えを示した。
県が設置するという「県央医療圏医療提供体制検討会議(仮称)」は、救命救急センター及び併設病院等の在り方検討会議がこれまでにまとめた合意事項を受けた次のステップ。「圏域全体の医療提供体制の骨格整理(グランドデザイン)」を行うもので、県央医療圏における各医療機関の役割分担の再構築など、具体的な医療提供体制の方向性を明確にするにあたり、その骨格を整理する。
県福祉保健部長が進行・まとめ役で、構成員は、地元医療関係者、有識者、地域住民代表(三条市、燕市、加茂市から推薦するもの[商工会議所、健康推進員、福祉関係者等])。
県の示す進め方では、同会議で検討したグランドデザインを、決定機関の「知事・市長村長・医療関係者等合同会議」に報告し、次のステップ「具体的な医療提供体制の検討」へと示しているが、小池市長は、「各病院の役割分担の再構築」は、極めて重要な病院の縮小・統廃合で、その検討を知事・担当副知事や市町村長を排除し、代表権など何も持っていない地域住民代表を入れる同会議で検討されることに同意できないとした。
それぞれの話を聞く必要はあるが、公的な会議をつくることはなく、県福祉保健部が数案を示し、合同会議で検討するよう求めた。
小池市長は、10月25日に泉田裕彦県知事宛に同検討会議を設置しないよう求める文書を送り、11月4日に泉田知事から回答を得た。さらに、この日11日に北島智子副知事が加茂市を訪れて小池市長と懇談。懇談をすることが県から公表されたとして会見を開いた経緯を説明した。
小池市長は泉田知事に、合同会議で共通認識に達し、救命救急センターの建設に手の届くところまで到達したところで、「問題を振り出しに戻るのはやめよう」と早急な建設実現を求めた。ただ、厳しい財政事情だが、検討を引き伸ばそうとするものではなく、結論を出し、いつからどうしていくとしたほうがいいとも。
また、小池市長は会見のはじめに「誤解ないように」と話し、今回の問題は、加茂病院を移して加茂市内の土地に救急救命センターをという考えという加茂市長としての考えとは別で、県央の1人の市長として考えている。この問題を考えるときは加茂病院のことは忘れて検討するとして、話を進めている。
会見に先立ち、午後4時半過ぎに小池市長と面談を終えた北島副知事は、話し合ってみると大きな違いはなかったと文書のやりとりでは齟齬(そご)があると言い、提案した検討会議については「開き方については、持ち帰りまして、知事と相談しようと思っています」と話した。