県内の社会福祉協議会でも先駆けて岩手県陸前高田市へのボランティアバスを運行した燕市社会福祉協議会(青柳芳郎会長)は今年度、4回の運行で延べ90人が参加した。
東日本大震災の津波による象徴的な被災地ともなった陸前高田市でボランティア活動を行う市民を運ぼうと5月13日から16日までの3泊4日で第1回のボランティアバスを運行した。それ以前に燕市社協で陸前高田市の被災状況を現地視察したこともあり、陸前高田市にターゲットをしぼって行った。
一部、県内で先に福島県へのボランティアバスを運行した社協もあるが、陸前高田市へは燕市社協と新潟市社協が同時に県内で初めて入り、その後、県内の社協が次々と陸前高田市へ向けてボランティアバスを運行し、その先駆けになったと言える。
その後は2泊3日のスケジュールで10月30日から11月1日までを最後に5回計画、1回は台風接近で中止して4回実施し、中学1年生から上は74歳まで延べ90人が参加。複数回、参加した人が多く、4回すべての参加した人もひとり。
また、地元の吉田金属工業株式会社、江部松商事株式会社、介護付有料老人ホーム「ロングライフあいこう燕」が趣旨に賛同してボランティアバスに社員を派遣した。
今年度のボランティアバスの運行はこれで終了。燕市社協の車田圭地域福社課地域福社係主任は、ボランティアバスの運行に「思った以上の反応がありました」と言い、何度も参加した人が多かったことから参加者にも好評だったことを喜ぶ。
しかし、陸前高田市は依然として復興が進まず、ボランティアもがれきを寄せ集めるといった最初のころと変わらないような活動を繰り返しており、未だに陸に打ち上げられて放置されたままの船もある。津波に流された土地に再び家を建てるべきかどうかといった議論にも結論が出ず、先が見えない状況で、外側からは一向に前へ進んでいないように見える。
「参加した人のほとんどが来年も参加したいと話していました。仕事の内容は変わるかもしれませんが、要望があれば来年度も実施を計画したいと思います」と車田主任は話している。