アークランドサカモト=坂本勝司代表取締役社長・本社三条市上須頃=は21日、ことし5月に亡くなった創業者の故坂本守夫さんの遺志を継ぎ、三条市民への感謝の気持ちとして1億円を三条市に寄付した。
午前9時に守夫さんの長男で同社の坂本洋司会長と堀川優人常務の2人が市役所を訪れ、国定勇人市長に1億円の目録を手渡した。三条市では、「(仮称)アークランドサカモト株式会社障がい者福祉基金」を創設する考えだ。
坂本会長は、父親で創業者の守夫さんについて、「96歳で天寿を全うしてくださいました」と話した。守夫さんは樺太で金物の販売をし、終戦で昭和20年に坂本会長ら家族が守夫さんより1年早く引き揚げ、長野に疎開した。
翌年、守夫さんは金物の仕入先などを頼って三条に移り、昭和27年に家族を養うことができるようになったと坂本会長ら家族を三条に呼んで、家族そろっての生活を始めた。それから60年、三条の人たちの世話になり、三条に恩返しをという強い思いがあった。
また、寄付の贈り方や使い道は、弟の現社長や常務と相談したがいい知恵が浮かばず、三条市に相談して国定市長からアイデアを出してもらい、「(多くの)皆さんに感謝していただければ、亡くなった父も喜んでいます」と話した。
国定市長は、「末長く助けが必要な方々に、また助けが必要な方を応援している方々に、少なくとも50年くらいは息長く続けられるように」と基金の創設を提案させてもらったと言う。
基金の創設には議会議決が必要で、12月定例会に上程する。三条市への高額な寄付は、1団体としては旧三条市の昭和62年以後の資料などによると、平成13年に丸井今井邸の取得費用として丸井今井邸保存市民の集いが4,900万円を寄付しているが、1億円規模の寄付は初めてのようだ。