国定勇人三条市長は29日、12月定例会議案概要説明会に続いて開いた臨時記者会見で質問に答え、東日本大震災で被災した宮城県と岩手県のがれきの受け入れの検討を他市とともに前向きに進めていると話した。
被災地のがれきの受け入れについての考えについての質問に答え、「まだ確定しきっているわけではない」と述べたうえで、「基本的に宮城県、岩手県で発生した災害ごみについては、広域的な受け入れを前向きに検討しようということで、今、詳細の詰めを同じく表明をいただいております近隣の他の市さんといっしょになって検討を進めている」と前向きに進めている状況と説明した。
ただ、受け入れを開始するにしても、三条市は新しい焼却場を建設中で、「物理的には新しいごみの焼却場の開始というところがターゲットのひとつで、もうしばらく時間がかかる」、「それまでの間、どういうような形で受け入れをしていくのか、他の受け入れを表明している市と足並みをそろえるようにして調整を進めたい」とした。
また、環境省からの基準の改定案についての質問に関しては、「基本的には福島県の災害ごみについては、同県内で抑え込んでいくという国の方針であること、私どもは宮城県、岩手県という状況のなかで、大きく問題視はしているわけではない」としながらも、「やはり市民の皆さま方がおそらく抱えておられるであろう不安を払しょくするために、災害ごみに含まれる放射性物質の取り扱いについては慎重に考えて行かなくてはいけないと思っている」。
「ただそれが、100なのか検出されずなのか、その中間なのかということについてはほかの受け入れ検討を表明していられるほかの市との足並み合せの話になる」として、今の段階でそこまで詰めていないと答えた。
また、市民の抵抗感にについての質問では、「ふれあいトーク」などを通じて「7・13水害で発生した水害ごみの3分の2を山形県米沢市で引き受けてもらったという経験を多くの市民も記憶しているということもあってと思うが、むしろ早く受け入れしていくべきではないかという声を私の周りでは多く聞き取れた」とし、「メール等も通じて不安の声も若干程度ある」が、「おおむねご理解は得られるのでは」との見方を示した。
この日の会見では、ほかに「三条市内における放射線量の状況について」、市のホームページでも空間放射線量、水道水への影響、農産物関係放射能検査結果などの測定結果を掲載しているが、「大丈夫なら大丈夫と言ってほしい」と市民からの声があったことを受けての項目とし、国定市長が「三条市内において、放射線の影響はない」と、市民に安心してほしいと話した。