ことしを金属洋食器製造100年としてさまざまな記念事業に取り組んできた日本金属洋食器工業組合(田中正勝理事長)は、その集大成として3、4の2日間、金属洋食器にちなんだローカル検定「カトラリー検定」を行い、合わせて460人が受検している。
3、4の2日間、午前11時からと午後2時から2回ずつ燕市吉田産業会館のほか、東京会場でも3日午前11時から表参道・新潟館ネスパスで行った。検定はマークシート式の4択問題が50問、60分。検定のために作成した公式テキストを持ち込み可能で、テキストから80%以上を出題。合格基準は正解率70%以上で、合格者には年内に合格通知と100周年の記念バッジを送付する。
1回目の3日午前11時から吉田産業会館で行った検定は、150人が受けた。参加賞としてもらったスプーンをテーブルに置き、鉛筆の走る音が聞こえるほどの静けさのなかで問題に集中した。
鈴木力燕市長も参加。公言していた通りテキストを持ち込んだものの、開かないままで受検。検定は開始30分後から退席可能だったが、そこはローカル検定といえ油断のない鈴木市長。1時間をほとんど使い切って回答も入念にチェックした。
もちろんすべてに回答し、わからなかったのは2、3問だけ。テキストをもらってからもしばらく「積ん読」状態で何もせず、検定が近づいてから3回、テキストを読んだ。「最後のお言い込みはすごかった」と自慢とも自嘲とも、万が一の場合の予防線とも受け止められるような自己評価でニヤリ。
藤沢健一教育長も受検し、鈴木市長より早く40分ほどで退席。「いやー、満点ですよ!」と笑い飛ばし、燕市の要職に就く2人はまるで学校の試験が終わった学生のようなちょっとした解放感や高揚感も味わっていた。
一般の受検者も同様。洋食器メーカーに勤める人の受検が多く、田中理事長に「お目こぼしを」、「落ちたらどうしよう。笑えるね」と話し、ほかにも「時間が無くて、めちゃくちゃピッチ上げた」、「ことしいちばん自信あるわ」と冗談を言い合って学生気分で検定を楽しんだようすだった。
受検者460人は男344人、女116人と3:1の割合で、下は11歳から81歳まで。市内受検者は市外受検者は7:3と市内が多い。東京会場は首都圏に支店や営業所のある市内の会社に勤める人が中心。県外では愛知、埼玉、鳥取、千葉、大阪、京都からの受検もある。
田中理事長は予想を上回る大勢の受検者を喜び、来年以降の継続を願っており、「我々としてはやりたいですが、先立つものが…」と最大の問題は経費。「洋食器の販売、活性化につなげていきたい」と話していた。