7年前の7・13水害では大きな被害を受けた三条市立条南小学校のPTAが14日、同校文化祭で行ったバザーの収益から5万円を当時の被災に対する支援の恩返しにと、今夏の新潟・福島豪雨で被災した子どもたちのために使ってほしいと三条市に寄付した。
条南小PTAの高取英明会長と川本雅一副会長の2人が市役所を訪れた。高取会長が「過去には条南小学校も復興させていただき、バザーができるまでになりました」と当時、助けてもらった大勢の人たちへの感謝の言葉とともに「お見舞」として包んだ5万円を国定勇人市長に手渡した。
同PTAは、このほかに5万円をあしなが育英会の東日本大震災・津波遺児支援に寄付している。
同校は7年前の水害で床上約160センチの高さまで水が上がった。1階の体育館や教室、1、2年生の体操着や児童のうち履きなどすべて泥水につかった。当時の児童302世帯のうち、床上浸水116世帯、床下浸水32世帯とほぼ半数が被害を受けた。
水害を経験した当時の児童はすでに卒業しているが、学校や地域の復旧、復興に大きな力をもらったとして、同校を支える地域の人たちも感謝の気持ちをもち続けている。
同校では、3月に発生した東日本大震災で、前任の会長の時代から支援物資を集めて送るなどの活動も行っていた。4月に就任した高取会長も、就任時からバザーの収益を東日本大震災で被災した子どもたちのために役立ててもらいたいと計画していたところ、7月末の豪雨に見舞われた。7年前をはるかに上回る量の雨が降り、三条市は下田地区をはじめ、同校学区の島田3、直江町、大野畑などでも被害が出た。
そこで、東日本大震災に加えて、地元三条にも何かできればと両方への寄付を決め、児童の家庭に手紙で知らせた。売り上げを伸ばそうと販売する品数も増やした。10月30日に開かれた文化祭のバザーでは同校名物のみそラーメンとしょうゆラーメン、フランクフルト、こんにゃくなどを販売し、ラーメンは1,100食を売り切った。
三条市では、同PTAの善意は、水害で被災した地域の小学校の図書など購入に充てる予定だ。