世界の土産用スプーンを集めて30年、京都の松浦靖さんが来年、燕市産業史料館で開かれるスプーンコレクション展を前に展示するスプーンを同史料館に持ち込む (2011.12.15)

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同志社大学職員だった時代から30年間、世界中の観光地などで売られている土産用のスプーンを集めている松浦靖さん(75)=京都府京田辺市=の燕市産業史料館での2回目のスプーンコレクション展が、2012年2月に開かれる。それに先だってこのほど松浦さんが同史料館を訪れ、展示するスプーンの候補300本近くを搬入した。

燕市産業史料館を訪れた土産用のスプーンを30年にわたって集めている京都の松浦靖さん
燕市産業史料館を訪れた土産用のスプーンを30年にわたって集めている京都の松浦靖さん

これまでに松浦さんが集めたスプーンは世界111カ国・地域の2,500本。前回は「松浦靖 世界のスプーンコレクション展」のタイトルで同史料館で開いたが、今度は「世界のスプーンで見る『世界遺産』ー世界遺産が描かれているスプーンたちー」のテーマで12年2月3日から19日まで開かれる。

スプーンの絵の先や皿の部分に世界遺産が描かれたものを特集し約200本を展示。「佐渡金銀山遺跡」が世界遺産に登録されるのを願って、佐渡の名物や特産を柄で表現したスプーンや最近、入手したスプーンも展示する予定だ。

来年の燕市産業史料館でのスプーンコレクション展に向けて松浦さんが持参した資料とケースに入れたスプーン
来年の燕市産業史料館でのスプーンコレクション展に向けて松浦さんが持参した資料とケースに入れたスプーン

松浦さんがスプーンを集め始めたのは1981年。仕事でスイスのジュネーブを訪れ、レマン湖畔でオメガの時計店に立ち寄った。店のおじさんと話し、帰ろうとすると1本のスプーンをくれた。「その瞬間、ぱっと見て驚いたんです」。スプーンの先にジュネーブの歴史を伝える紋章があった。左半分に双頭の鷲、右半分に鍵が絵が描かれていた。

双頭の鷲は神聖ローマ帝国の紋章で、かつてスイスはその国の一部だった。一方で宗教改革があり、鍵はイエスの代理人として聖ペテロに与えられた天国への鍵を示している。「ローマ帝国の同様の町を標榜していたんですね」。1本のスプーンから一気に世界の歴史や地理に思いが広がり、収集のスイッチが入った。

その後も大学職員として大学経営や調査で欧米に渡っては、観光地で売られている土産用のスプーンを買い求めた。定年退職後も「スプーンの旅」と名付けて年に1回は海外へ渡る。出かける前に各国の言語で「スプーン」を何と言うか、発音も含めて覚える。これまで70言語くらい調べた。それでも通じないことがあるので、必ずポケットにスプーンを1本入れておき、土産店でそれを指し示してスプーンがないかと尋ねる。

資料を広げて話す松浦さん
資料を広げて話す松浦さん

昨年は中東のシリア、ヨルダン、ドバイの3カ国、ことしは東欧のマケドニア、アルバニア、モンテネグロ、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビアの6カ国を訪れ、この2年間で72本をコレクションに加えた。あわせてお国柄も伝わるように絵はがきやテーブルに飾る国旗も飾ろうと考えている。

松浦さんがスプーンについて話し始めると止まらない。オーストリアのスプーンにはモーツァルトの顔が描かれ、それぞれの土地で人物、歴史的建造物、山、川など有名なものが描かれたり、刻まれたり。

エマイユで描かれたスプーンやノルウェーのステンドグラスのスプーン、東南アジアの水牛の角でできたもの、貝をスプーンにジョイントしたもの、さらにチベットの動物の骨、南米はペルーの銀で作ったスプーン。エクアドルは赤道直下にある赤道の記念塔をデザインしたもの。1本のスプーンのなかに世界の歴史や文化、風土、民俗などが凝縮されている。

佐渡の土産用スプーン
佐渡の土産用スプーン

さらに集めたものをきちんと整理し、スプーンに描かれたものが何かわからなければインターネットなどで調べ学術的に資料にまとめる。大学を退職するときは、オリジナルの記念スプーンを約400本作って世話になった人などにプレゼントした。スプーンの表に同志社大学のマーク、裏には退職年月日と感謝の言葉を入れた。

「結局、ライフワークのようになってしまいました」と松浦さんは笑いながら頭をかく。「スプーンは文化のバロメーターがあらわれたりもするんです。それも収集の楽しみです」と松浦さんのスプーンコレクションにゴールはない。

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