東日本大震災で燕市へ避難している雪に不慣れな人たちから雪道でも車を安全に運転してもらおうと、燕市は希望者を募って17日午後2時から燕中央自動車学校で雪道運転講習会を開いた。
参加したのは福島県南相馬市から避難している12人。燕中央自動車学校指導員から教習動画を中心に座学による雪道運転テクニック講習と運転シミュレーターによる実技で学んだ。
雪道の運転は、急加速、急ブレーキ、急ハンドルといった「急」のつく操作をしないのが基本。路面が凍結してアイスバーンやブラックアイスバーンとなり、橋の上だけ凍っていることがあるのにも注意が必要だ。
運転シミュレーターでは、冬の荒天を体験。激しい雪や霧が視界を遮り、トラップがあるだろうと予想して時速20km前後で低速運転していても、一時停止の標識を見通したり、センターラインを超えてくる対向車をよけられずにぶつかったり。緊張してハンドルを握り、「あー、おっかなかった」と、雪道に限らず一歩間違うと事故につながる運転の怖さを体感した。
前日16日は燕市内でも本格的な雪となって数センチの雪が積もった。南相馬市ではこれくらいが冬の積雪のマックスとのこと。冬用タイヤに交換するのは一般的だが、道路が凍結するのは朝晩くらいで、日中は溶けるのがふつうという。このていどの雪なら、国道は南相馬市より道幅が広く、消雪パイプもあってかえって運転しやすという声があった。
一方で家の近所の道が狭く、冬は対向車とすれ違いできるだろうか、田んぼに車を落とすのではと心配する人。また、路肩に立つ背丈よりも高いスノーポールに、そんなにも深く雪が積もるのかと心配する人もいた。
指導員は、制動距離が延びるため、「車間距離を十分な確保」を求め、心配なことがあったら同校へ気軽な相談を呼びかけるとともに「新潟の冬を楽しんでもらえれば」。お母さんと一緒に来校した小学生は、講習会が終わるのを待つ間、ずぼんをぬらして雪合戦に霧中で、指導員の言葉をさっそく実践していた。