つばめ福祉会が運営するグループホーム仲町=燕市白山町1=を、23日午後2時から日本舞踊の「春登茂会」が慰問し、地元で日本舞踊を学ぶ小学生が同ホーム利用者や地域の人たちに練習を重ねた踊りを披露する。
けいこをつけるのは吾妻流名取の吾妻春登茂さん=三条市下須頃=。ラジカセではやしを慣らし、「右に回って」、「さらしを踏まないように」と所作を指示し、「一、二、三、はい!」とタイミングの合図を出しと、張りのある声で時には厳しく指導した。
30分ほどでけいこが終わると、師匠の前で正座して「ありがとうございました」。踊っている間は身ぶりやしぐさがおとなっぽかったが、元の服に着替えればいつも通り。せんべいを食べてにぎやかに話し、先輩のけいこのようすを正座して見学するなど、学校と家の往復にはない特別な時間を過ごしていた。
春登茂さんは、20年以上前から同センターで出げいこを行っている。地元の燕戸隠神社の春祭りで人気を集めるのが女の子による踊りで、その役を担う木場小路万灯組のお玉さんの指導も10年近く前から続けている。
出げいこに通っている子どもの多くはお玉さんも務め、1人が燕東小学校のほかは燕西小学校の2年生から6年生までの7人。毎週木曜の放課後にけいこを行い、2年生でも保育園のころからけいこに通っている。
3年ほど前に発表会を開いたことがあるが、発表の場は少ない。グループホーム仲町は、交流スペースも開放しており、そのスペースを使って利用者や地域の人たちの交流を図ろうと、春登茂会に慰問の話があって実現が決まった。
演目は2年生3人で長唄小曲『奴凧』、3年生と5年生の2人で童謡『砂山』、4年生と6年生の2人で長唄『越後獅子』。『越後獅子』では長いさらしを持った踊りもある。特別な衣装を用意すると経費もかかるので、当日はけいこ着で踊る。
子どもたちが身内とまったく関係のない場所で踊るのは初めて「だから、わたしも怒鳴り声を上げてるんです」と、春登茂さんも子どものような笑顔。「子どもたちは期待しながら緊張してると思いますよ。お母さん方も楽しみなじゃないですか」と久しぶりの発表を楽しみにしている。
次回22日の本番前の最後のけいこ。当日は同ホーム利用者以外に近所の人たちにも見学を呼びかけている。