官公庁仕事納めの28日、三条市では国定勇人市長が職員を前に年末のあいさつを行い、災害の続いた1年を振り返り、ことしは年末年始もいろいろな考えを巡らせてほしいと締めくくった。
国定市長は、ことしを振り返ると「皆さんの脳裏に去来するものは等しく一緒」と推測。大雪に始まり、3月11日の東日本大震災、7月29日から30日に同市を襲った新潟・福島豪雨と「災害続きの一年だった」と振り返った。
立て続けの災害に職員から「献身的に取り組んでいただき、なんとかきょうを迎えることができた」とし、市民の力添えにも感謝。さらに職員の「9カ月近い踏ん張りようがなければ、きょうまでたどり着くことはなかった」と重ねて感謝し、なかでも下田庁舎に水害の現地対策本部が設置されてから数カ月は土、日曜もなく、午前さまの帰宅が続いた職員の労をねぎらった。
いつもなら年越しを前に「仕事のことはいったん忘れて」となるところだが、ことしはそうはいかず、今も280人近くが市内に避難している。水害の復旧も道半ばで、年末年始、各家庭でいろいろな考えを巡らせてほしいと求めた。
また、群馬大学の片田敏孝教授の言葉として話し、「備えあれば憂いなし」を示し、実 は「備えとはなんなのか」を考えることが重要した。元の中国の故事は「居安思危、思即有備、有備無患」で、「安きにありて危うきを思う。思えばすなわち備えあり。備えあれば憂いなし」ということ。
備えをするためには、非常時のとき、仕事をするにあたって、日常生活あるいは時間にゆとりのある時にしっかりと考えをめぐらせば、必ず答え(備え)が導きだされるはず。その対策をしっかりと実践を積み重ねれば、本当の仕事の場面、あるいは本当の非常時において役に立つということが一連の流れで完結されている中国のことわざと紹介した。
国定市長は、「どうか年末年始は“備えあれば憂いなし”の一番最初の気づきのきっかけになる“安きに居りて危うきを思う”を年末年始の時間の中で頭を巡らせていただければ。公に尽くす公務員の皆さま方が巡らせていただければ、必ず来年は三条市のすばらしい年になる」と話し、「本当にお疲れさまでした」と締めくくった。