三条市で8日、三条市消防出初式が行われ、消防車両の市中パレードや高層建物総合訓練などを行い、ことし1年の無災害を願った。
消防職員や消防団員、来賓など約150人が参加。午前9時から消防車両36台による市中パレード、10時から三条市消防本部で高層建物総合訓練と式典を行った。
高層物総合訓練は、同本部の訓練場で実施。女性消防団員と一般見学者による初期消火訓練に続いて、倒壊建物火災の救助、救急、消火の訓練を行い、建物にみたてた訓練塔からの救助、エアーテントの応急救護所設営などを行った。
午前9時の気温は1.3度、積雪は22センチ(三条市消防本部南分遣所観測)と真冬の寒さだが、青空がのぞく穏やかな天気で、市中パレードでは統監の国定勇人市長らが観閲を行った厚生福祉会館前では例年より多い40人余りが、訓練場でも親子連れなど150人余りが見学した。
式典で国定市長は訓示を延べた。国定市長は、昨年の東日本大震災と新潟・福島豪雨の2つの大きな災害を振り返り、消防職団員の活動に敬意を表し、感謝した。東日本大震災は発生したその日のうちに消防本部が石巻に出発。「何がどう起こっていくのかわからないなかで順次、応援への派遣隊が出発されたこと、今でも生々しく思っている」と話した。
緊急消防援助隊新潟県隊として交代で出発する消防職員を毎回、見送った。「かじかむ寒さから、春暖かい朝になるまで、出発された記憶にとどめている」と長期にわたった被災地での活動に敬意を表した。
「忘れてはならない7・29水害」では、見附市のひとりが犠牲になり、「悔やんでも悔やみきれない」。一方、三条市民にはひとりの犠牲もなく、7・13水害の2倍に達する総雨量のなかでも食い止められた。
10棟を超す家屋が流出した状況を考えても犠牲が出なかったのは、「やはり消防団の皆さま方の積極的なご活動、ご支援がなければ、こうした奇跡のような事態は起こらなかったんだろうと、つくづく感じた」、「常備消防そして団の皆さま方の献身的な自らの命を投げ捨てでもという強い覚悟で臨まれたその真摯な敬けんな活動に心から敬意を表したいと思いますし、三条市民を代表して厚く感謝を申し上げたい」述べた。
昨年は、いつどんな災害が起こるかわからないと改めてまざまざと見せつけられ、「平成24年は龍のごとく昇っていく年にしたいが、災害はいつ襲ってくるかわからない。あらためて気をを引き締めていただくなかで、引き続き市民の安全安心を守っていただきたい」と求め、こと一年がいい年になるように願った。