燕市社会福祉協議会の事業「ふれあいサロン」の1つで小古津新地区で開催している「地域のお茶の間『たっしゃらかね』」は、難病のため17歳の若さで亡くなった燕市の岡村可奈子さん作詞の曲『笑顔を忘れないで』にあわせたオリジナルの健康体操を行っている。
ふれあいサロンは、高齢者や障がいのある人、子育て中の人、小中学生など地域の人が気が向いたときに、好きな時間に立ちより、仲間づくりや話し相手がほしいなどで訪れた人たちが居心地よくいられる空間。地域住民参加による自主運営で、地域の集会所などを利用して燕市内90カ所で行われている。
「たっしゃらかね」はそのひとつ。小中川、小古津新、大船渡、勘新の4町内を対象に月2回、小古津新集会所と小中川集会所を会場に開いている。毎回、80歳代の人を中心に15人ほどが集まり、茶飲み話で過ごし、抹茶を味わうちことも。さらに、昨年は道の駅国上のかかしコンテストへの出品、「笑顔を忘れないで」を歌い地域のカラオケ大会出場、寺泊の温泉に一泊旅行にも出かけたりもして楽しんだ。
毎回、恒例にしているのが、「笑顔を忘れないで」の合唱。昨年3月からは曲にあわせた健康体操も行っている。「たっしゃらかね」の代表、笠原広美さん(71)が、燕市の広報紙に掲載された「笑顔を忘れないで」の岡村さんの詩を見て感銘し、「ぜひ、会の応援歌にさせてもらいたい」と、歌い始めたのが始まり。
さらに、歌をうたいながら体も動かすことができればと燕市社会福祉協議会に相談したところ、エアロビクスインストラクターの経験もある同協議会のボランティアコーディネーター門谷淳子さんが、座ったままで上半身を中心に動かす体操を創作してくれ、昨年3月から体操も取り入れている。
新年最初の「たっしゃらかね」のお茶の間が10日に小中川集会所で開かれ、70歳代から89歳まで15人が参加。加えて、この日は体操考案者の門谷さんも参加し、ポイントをあらためて説明しながら一緒に体操した。
89歳の女性は「ひとりでしても忘れるから」と話したが、大勢で歌にあわせていると体が自然と動いていた。さらに、姿勢がよくなるという門谷さんのアドバイスには「若返りますて」と話す人もいた。
笠原さんは、岡村さんの詩には「何ともないことばだけど、『出会えた人にありがとう』とか、日ごろ忘れていることを思い出させられ、それで感動したのかな」。さらに「たっしゃらかね」の参加者をはじめ聞く人が「一人ひとりの人生を背負ってこられて、(歌を)自分のものにされているのではという思いになります」、「せっかくいい歌詞なので、大事にしていきたい」と話し、歌と体操とあわせて多くの人に広がっていけばうれしいと話していた。