燕市国上、道の駅国上のふれあいパーク久賀美で15日午後3時から新潟の伝統行事「塞(さい)の神」が行われ、約500人が参加して塞の神の燃え盛る炎に新年の新たな思いや願いを託した。
地元長辰地区の協賛で毎年行われており、ことしで7年目。塞の神は、疫病や災害から守るため小正月に行われている行事で、書き初めなどを燃やすと書道の腕が上がるとの言い伝えもある。
ことしもふれあいパーク久賀美裏手に塞の神を設置した。タケで骨組みを作り、わらを巻いた高さ7メートルほどもある大きな塞の神で、お焚きあげの松飾りや角松、だるま、同所で開かれたかかしコンクールのかかしや酒呑童子行列の絵馬も入れた。
午後3時で三条で気温0.3度の厳しい冷え込み。塞の神の両脇に約20本の奉納されたろうそくをともし、間断なく雪が降り続くなか、国上寺の山田光哲住職が祈祷を行ったあと、火をつけたわらをくべて点火し、鈴木力市長も点火に加わった。
もくもくと上がる煙から火が見え始めると、一気に塞の神は炎に包まれた。熱でタケが破裂し、いわば天然の爆竹。幼児が怖がるほど大きな破裂音が国上山に跳ね返ってこだました。
塞の神から10メートル以上離れても熱くていられないほど火が強く、火勢が収まったところで、タケの先に下げたするめを塞の神の火であぶった。スルメはくるっと丸くなり、「縁起物だからね」と少しずつさいて味わった。
昨年は猛吹雪に見舞われて参加者が少なかったが、ことしは雪が降り続いたものの、今の時期なら降雪は想定内で、参加者は例年通りか多い方だった。風物詩を被写体にと訪れるアマチュア写真家も多かった。