燕署(五十嵐喜一署長)は19日、「はいかいシルバーネットワーク」で手配した77歳女性の無事に保護するこに貢献した燕市中島、タクシー運転手佐藤信夫さん(56)と、佐藤さんが勤務するまきタクシー(有)吉田営業所=田中静雄所長=の功労をたたえ、それぞれに感謝状を贈った。
午後1時半に佐藤さんと、田中所長の2人が燕署を訪れ、五十嵐署長が感謝状を読み上げ、それぞれに手渡した。感謝状を受けた佐藤さんは、「無事に早く見つかって大変、良かった」と喜び、これをきっかけに「まわりの運転手さんも、なお耳に止めると思う」と話した。
女性が行方不明になったのは1月12日。夕方に家族が帰宅したところ、77歳の母の行方が分からず、自転車もなくなっていると午後9時過ぎに燕署に届け出があり、事故に遭う可能性のある特異行方不明者届を受理した。
燕署では、ただちに「はいかいSOSネットワーク」によって手配し、捜査していたところ、翌13日午前0時20分ころ、乗務中に会社からの無線で女性が行方不明になっていることを聴いていた佐藤さんから「10分ほど前に(燕市高木地内で)自転車を引いて歩いている高齢女性を見た」との情報が寄せられ、その情報に基づいて捜索したところ行方不明だった女性を発見し、無事に保護した。
発見されたのは気温が低下した夜中で道路が凍結し、交通事故が多発しているなかだった。女性は自宅から直線で約6キロの場所で、自宅と反対の方向に向かっていた。「近所まで散歩に出たつもりだったが、道がわからなくなった」と話していたという。
「はいかいシルバーSOSネットワーク」は、タクシー会社をはじめとする公共交通機関、新聞販売店、牛乳配達店、官公署などの協力で、はいかいする高齢者の早期発見、保護活動を推進しているもので、各警察署からファクシミリにより一斉手配を行っている。燕署管内では39カ所に送信する。
まきタクシーでは、「はいかいシルバーSOSネットワーク」を受信すると、社内はもちろん、ただちに町中を走っている全車両に無線で伝え、積極的に協力している。