燕市が国の登録有形文化財への登録を目指す旧配水塔=水道町1=、通称「水道の塔」では改修工事が行われているが、夕暮れになると冬の空に光で市松模様を描いたようなシルエットを浮かび上がらせる。
水道の塔は周囲を円筒形の足場に囲まれて覆われ、すっぽりとトイレットペーパーの芯をかぶせたような、水筒のような形に見える。元の水道の塔は上にいくほど細くなっているが、寸胴の足場が組まれてさらに大きく見え、元の姿を知る人ほどそのスケールの大きさを感じることができる。
夕暮れが見ものだ。午後5時前から光で市松模様のような模様が浮かび上がる。巨大な光のオブジェのようで、威容さえ感じさせる姿に目がくぎ付けになる。
もちろん装飾ではなく、足場の内側に設置された工事用の照明が、足場の四角いフレームで区切られて見えているだけ。日中から照明がついてるが、夜になるとそれが浮かび上がるというわけだ。
良く見ると無数の鉄パイプが這い、工場萌えも刺激するようなレトロフューチャー的な印象も。今だけのスペシャルな水道の塔の姿を記録しておこうと写真を撮りに訪れる人も多い。工期は3月15日までだが、それより前に足場が取り外されるはずで、今のうちに修復中の姿を目に焼き付けておきたい。