燕市立燕東小学校(外山健蔵校長)は27日、5、6年生の児童を対象にキャリア教育講演会を開き、同校卒業生で新潟産業大学バスケットボール部監督の明道有三(みょうどう・くにかず)さん(62)を講師にバスケットボールの講習会と講演会を行った。
同校がことし創立140周年を迎えることもあり、大先輩を講師にと開いたもの。明道さんは三条高校バスケットボール部でインターハイ8位、国体にも出場して3位に。明治大学体育会バスケットボール部に入部し、インカレ優勝。豊田通商に入社し、東海実業団1部リーグでも活躍した。
その後、明大体育科バスケットボール部や名古屋経済大学男子バスケットボール部でコーチなどで指導にあたり、上のレベルに押し上げる名将ぶりを発揮。今は新潟産業大学バスケットボール部に招かれて監督を務めている。
5年生47人と6年生の39人の86人を対象に体育館でバスケットボール講習会を行ってコーディネーションドリルなど明道さんの指導の一端を児童に体を使って伝えたあと、「チームワークの大切さ」をテーマに講演した。
明道さんは、チームに必要なのは責任感や「勝って優勝したいという共通の認識」。プロでもシュートの成功率は50%で、リバウンドが大事。バスケットボールは完璧を求められないスポーツであるという前提を示した。
大学時代、試合に出してもらえない時期があったが、おかげでいろんな角度からチームを見ることができ、「実はそれが指導者への道のきっかけになった」。60歳を過ぎてバスケットボールを「まだまだ学びたい」と思い、「もう勉強したいことがないやと思ったときに辞めることにしている」と話した。
小学校の4年生から6年生ぐらいの時期は、運動神経が飛躍的に伸びるゴールデンエージと呼ばれ、「今、運動神経を鍛えておかないと遅い」と児童に今の大切さを訴え、さらに午後11時から午前3時の間に成長ホルモンがたくさん出るので、スポーツをして良く寝るよう求めた。
テーマであるチームワークについては、「ベクトルをひとつの方向に無糧合わせることで、同じ力がより大きくなる」と言い、「個人がチームに、チームは個人に、チームメートに互いに責任をもつことが大切」と話した。
バスケットボールに限らず、スポーツでは「いろんなことに相談にのってくれるスタッフがいないと強くなれない」と、プレーヤー以外の協力が重要であることを教え、さらに家族にも置き換えて「2人以上で生活する、これもチーム」で、「責任をもってやるのがチームであることを忘れないで」と児童に求めた。
指導者としてはバリバリの現役。大きな体で熱く語る明道さんの姿は会社なら定年を過ぎた年齢であることを感じさせず、児童は50歳上の大先輩の言葉にじっくりと耳を傾け、メモを取っていた。
明道さんは小学生を相手に講演したのは初めて。講演後、明道さんは「子どもたちにわかるように言葉を選びながら話しているうちに何を話しているのかわからなくなって」と頭をかいた。
燕市仲町に生まれ育った。中ノ口川の土手に大きな石が並び、その上を飛んで渡ったのを覚えている。燕東小は赤門以外、校舎も体育館も変わって当時の面影はない。グラウンドの反対側には燕中学校があった。明道さんが燕中へ進学したときはすでに今の場所で、生徒が多く学校に入りきらないため、午後から通学する生徒もある二部制だったと言う。
燕中でもバスケットボール部で、今だから話せるとして、武田文祥堂の親父さんが部員を軽トラックに乗せて各地の中学校のバスケットボール部と練習試合させてくれたことや、弥彦までランニングしたことを懐かしそうに話していた。