平成23年度(第49回)新潟県広報コンクールの審査結果が27日発表され、入賞常連の燕市は広報写真(一枚写真)の部で最高賞の知事賞を受賞した。
受賞したのは、昨年の「広報つばめ」8月1日号の表紙に掲載した西燕保育園のプール開きを撮影した写真だ。広報の制作にあたるのは、企画財政部地域振興課広報広聴係で、広報担当通算9年の古沢徹副参事(53)をトップに3年目の高野良介主事(32)と松本和洋主事(32)の3人。「これが勝負だと」、「カメラが壊れてもいいくらいの気持ちで」、「賞をねらいにいきました」と内幕を明かす。
撮影日は昨年7月14日、真っ青な空が広がる炎天下。高野主事と松本主事の2人で取材に出かけた。1時間半の取材時間で撮った写真は、実に700枚を超えた。その中から高野主事が撮影した1枚を選んだ。
プールの中でカメラの真ん前に満面の笑顔の男の子。その後に女の子の笑顔も並び、フェンスには保育士が飾り付けたテープ、その上には夏の空が広がった会心のショット。表紙の下の部分にある「きもちい〜セツデンの夏、おトクに楽しくすごしませんか?」と節電を呼びかけるキャッチフレーズにもぴったりマッチした。
「子どもたちと同じ低い目線で撮ろうと。ポロシャツに短パンで出掛けて、パンツはびしょびしょになりました」と高野主事。松本主事も「子どもたちはプールに夢中で、カメラを気にしない、いい笑顔を見せてくれました」と子どもたちの功績にも感謝し、「今度は総合力が評価される広報紙の部で賞を取らないと」と欲も膨らむ。
コンクールは4部門あり、燕市は広報映像の部を除き、広報紙の部に12月1日号の金属洋食器100周年の特集、広報写真(組み写真)の部に8月15日号の「燕市夏まつり2011」でいずれも入選した。
新潟県広報コンクールは、新潟県内の広報紙を対象に毎年開かれている。燕市は県広報コンクールで入賞の常連。それどころか全国広報コンクールでも合併前の旧吉田町が町村部で2席、合併後も市部で2席に輝いている。ただ、その牽引役だった担当者が今年度、部署を異動したため、「賞取り」にプレッシャーがあったのも事実。「とりあえず入って良かった」というのが正直なところでもある。
古沢副参事も「ぱっと見て節電を勧めていることがわかるような写真を頑張って撮ってくれました」と喜ぶ。燕市合併から間もなく6年。広報紙には「ひとりでも多くの市民から登場してもらって、燕、吉田、分水の3つの地区が互いを理解し、燕市がひとつになるようにしなければ」と勘所を話す。
今回の知事賞は「写真がうまいから取れたのではなく、皆さんが協力してくれ、知恵を出してくれ、いろんな人のおかげです」と感謝している。知事賞受賞作は、続く全国の広報コンクールでも審査を受ける。県央地域では燕市以外に、三条市が広報紙の部で審査員奨励賞を受けた。