三条市のJR弥彦線高架下にある小さな空地「ポケットパーク」を「三条市民と新潟大学の協働による小さな里山づくり」のテーマで整備しているポケットパーク整備実行委員会(石田忠委員長)と三条市が、国土交通大臣表彰の平成23年度手づくり郷土(ふるさと)賞を受賞した。
1月31日に三条市役所で、平成23年度「手づくり郷土(ふるさと)賞認定証授与式が行われ、国土交通省北陸地方整備局の前川秀和所長から、石田委員長と国定勇人三条市長が認定証と認定の盾の伝達を受けた。石田委員長は受賞のあいさつで、今回の受賞が「(多くの参加者にとって)大きな励みとなると信じている」、「これからも地域の活性化のため努力していきたい」と話した。
手づくり郷土賞は、地域の魅力や個性を創出する良質な社会資本とそれに関わる優れた地域活動を一体の成果として表彰するとともに、その事例を紹介することでさらに各地の個性的で魅力ある郷土づくりに向けた取り組みの推進を目指そうと昭和61年度に創設され、今年度26回目。
一般部門と一般部門受賞後に対象となる大賞部門の2部門で、三条市のポケットパーク事業は一般部門での受賞。今年度は、全国で12の事業が選定され、県内では三条のほか、南魚沼市の「三国街道塩沢塾 牧之通り(雪国の歴史と文化のまちづくり)」の計2件が受賞した。
ポケットパーク整備実行委員会は、地域住民、地域の専門家、新潟大学の学生らが協働し、平成19年から「ポケットパーク」11カ所のうち8カ所を数年間がかりで、毎年1カ所ずつ、整備を進めており、平成23年度は5カ所目(田島1丁目)の整備に取り組んでいる。
年間を通して、計画、施工、管理までを一貫して行っており、緑を大崎や保内など地元の里山に求め、作業はすべてボランティアで行っている。
同委員会は、行政の限られた予算のなかで市民と学生のアイデアで整備しようと、三条市の呼びかけで発足。委員は弥彦線高架下の緑道沿道の自治会や小学校PTAなどと、三条市建設関連協議会、三条市建設業協会、保内園芸組合など多数の業者・団体、新潟大学大学院自然科学研究科西村伸也教授とゼミの学生など大学生で、平成22年度には延べ813人が参加する大きな活動に育っている。