5日、東京都・東京ガス新宿ショールームで開かれた第5回ウィズガス全国親子クックキングコンテストに関東中央地区代表で出場した燕市新生町、パンコーディネーター佐藤麻子さん(39)、小学校5年生花音さん(11)親子は最高賞のグランプリを受賞し、全国から応募のあった20,837作品の頂点に立った。しかも調理に使った包丁は昨秋の三条鍛冶まつりで麻子さんが花音さんにプレゼントしようと手作りしたマイ包丁で、燕三条もしっかりPRしてのグランプリだ。
調理の条件は、食材費が4人分で2,000円ていど、調理時間60分。服部学園理事長の服部幸應さんをはじめとした審査員の前で調理し、おいしさはもちろん、親子のチームワークや工夫、ガスならではの調理方法を審査ポイントに、全国の予選大会を勝ち抜いた14組が出場して競った。
佐藤さん親子の作品は「にいがた満載ごはん。」。塩引き鮭のごはん、にいがたきのこの豆乳スープ、まんまるイカ、根菜のシーフードカレーミートソースなど、新潟のおいしさたっぷりのメニューで挑んだ。
調理に使った包丁は、昨年9月25日に三条市で開かれた三条鍛冶まつりで、麻子さんが花音さんにプレゼントしようと手作りした。「特別な人のための包丁づくり」のイベントで、麻子さんは鍛冶集団の吉田恒雄師範のマンツーマンの指導を受け、1日がかりで世界に1丁のオリジナル包丁を作った。
今回のコンテストの冒頭の出場者の紹介では、同行した白根ガスの担当者が「燕三条は洋食器や金物の町として全国に知られる」と紹介し、麻子さんも「隣りの市が包丁の産地、金物の町なので作らせてもらいました」とアピールし、この包丁で腕をふるった。
表彰式で花音さんは、涙で声を詰まらせながら「みんなのお料理がとてもおいしくて、賞も取れないかと思っていたので、とってもうれしいです」。
麻子さんは、涙をこらえて、「にいがた満載ごはんと付けたのに、県大会、関東大会とメインのイカの新潟県産がなくて、ここまでこれてやっと県産のイカも、すべて食材も雪のなか探し回って、おいしい新潟を皆さんに食べてもらおうと思って悔いのないように食材を持ち運んできました。本当にうれしいです。ありがとうございました」とグランプリ受賞を喜んだ。
また、準グランプリのキッチンバス工業会賞を受けた兵庫県神戸市の森さん親子は表彰式で「カボチャを忘れるという恐ろしい失敗をしてしまって、新潟の方にお借りできて。麻子さん、本当にありがとう」。カボチャを忘れた森さん親子に自分が用意した食材のカボチャを提供するというファインプレーも。まさに「敵に塩を送る」という上杉謙信の精神でも“越後”を体現してみせた。
佐藤さん親子は、花音さんが1年生だった第1回コンテストから毎回、応募。第3回大会で初めて県大会に出場し、さらに関東中央地区大会に出場したが、全国大会出場はかなわなかった。続く第4回大会は全国大会に出場し、準グランプリの日本ガス石油機器工業会賞に輝いた。それでも満足せず、今回もリベンジをとの思いで出場し、ついに頂点を極めた。