燕市の佐藤麻子さん、花音さん親子がついに、ウィズガス全国親子クックキングコンテストでグランプリに輝いた。とにかくうれしいし、何か胸のつかえが取れたような感覚もある。
佐藤さんを初めて取材したのは偶然だった。一昨年秋に三条市荻島、「雑貨店Blue」へ取材へ伺ったときにちょうど佐藤さんが来店。そこで真野さんに佐藤さんがこのコンテストの新潟県大会で優勝したと聞き、失礼ながら店内をお借りしてその場で取材し、記事にした。いわゆる「やっつけ仕事」だ。
全国大会で佐藤さんは準グランプリを獲得した。なんの機会で佐藤さんと話したのか忘れたが、準グランプリに佐藤さんがてっきり満足しているのかと思ったら、ちっとも納得していなかった。
自分だったら全国的な大会でそこまで実績を挙げたらもう満足し、挑戦はやめているに違いない。グランプリを取れるとは限らないのはもちろん、全国大会に行ける保証もない。準グランプリを取りながら次の年に全国大会にも行けずに挫折感や屈辱感を味わうくらいなら、準グランプリで十分とさっさとあきらめているはずだ。
頂点を極めるような人は、やはりメンタリティーが違う。一昨年に取材したときは翌年の春にパン作りの教室を始めたいと話していたが、言葉通りに実現し、パンコーディネーターになった。有言実行。国定三条市長の好きな言葉、いい意味での「肉食系」なのかもしれないし、繰り返しになって恐縮だが「主体的に行動しようとする人」なのだろう。
佐藤さんのレシピは食材をとことん「新潟」にこだわり、必然性や説得力があった。おまけに調理に使った包丁は、昨年秋の三条鍛冶まつりのイベント「特別な人のための包丁づくり」で娘のために麻子さんが手作りしたもの。包丁作りに挑戦した積極性と言い、それをコンテスト会場に持ち込んで紹介するというプロデュース力、コンサルティング力は見事と言うほかない。
もっとも、そんなに計算したわけでもないのだろう。グランプリを取るくらいだから、凝り性なのは間違いない。「どうせなら」、「せっかくだから」とアイデアを積み上げるうちに結果としてまるで狙ったかのようなストーリーが生まれたのだろう。
私事だが、一昨年に取材した後、佐藤さんが思うような成果をあげられなかったため、取材したことが「験(げん)が悪い」ような感じがした。占いや運命を信じているわけではないが、生粋のネガティブ人間は悪い方へ、悪い方へと考えがいってしまう。本来なら全国大会前にしっかり記事を書きたかったが、取材しそびれ、今回も全国大会出場が決まったときは、その事実だけをちょこっと書くにとどめた。
ともかくも、佐藤さんがグランプリを受賞したことで、ちょっとした安堵感。もう験担ぎの必要もない。みんなで盛大に祝って喜びや感動を共有させてもらおうではないか。まだまだ佐藤さんはやってくれるはず!。
追伸。昨年秋、下田地区・長見寺で開かれた手作り市「茶がま市」に佐藤さんが出店。佐藤さんの手作りパンが食べらると楽しみに取材に向かったが、早起きが苦手で案の定、完売。近く食べさせてくださいm(_ _)m。