燕市被災者サポート支援センターは4日夜、燕市温泉保養センター「てまりの湯」で第3回交流会「節分豆まき大会」を開き、東日本大震災で市内に避難している人のうち23人と同センター利用者、合わせて約200人が参加、節分にちなんで交流した。
「てまりの湯」は昨年に続いて節分豆まき大会を計画。せっかくなら避難している人たちからも参加してもらおうと被災者サポートセンターに声をかけ、交流会を兼ねて開くことにした。交流会は昨年9月のカレーサロン、11月の弥彦菊まつりツアーに続いて3回目。
「てまりの湯」には震災後、燕市内3カ所の避難所のうちひとつが開設されている。3カ所のうちでは最も避難者が少なく、個人での避難や自主避難が多く、最も早く閉鎖された。
今も市内には雇用促進住宅などに140人余りが避難しており、交流会には小学生の以下の子どもとその親がほとんどで、希望した23人が参加した。
「てまりの湯」の職員2人が着ぐるみを着て赤鬼と青鬼にふんした。避難者から採用したサポートセンターの職員3人があいさつのあと、福島市でフラスタジオを開いていて今は燕市内に自主避難している武藤洋子さん(50)が、赤とピンクの中間くらいの色のハワイアンドレスで髪を花飾りで彩り、フラダンスを披露した。
最後に年男のサポートセンター職員2人など、「てまりの湯」の利用券などの当たるくじ付きの小袋に入った豆菓子を参加者に向かって「鬼は外!、福は内!」と投げた。ここでは豆は鬼を攻撃する武器ではなく参加者へのプレゼント用。雰囲気はモチまきで、子どもたちは歓声を上げて飛んでくる豆をキャッチしていた。
フラダンスを披露した武藤さんは、ステージから降りてまったくフラダンスの経験のない参加者を指導して一緒に踊り、大好評だった。
武藤さんは十数年前からフラを始め、夫が経営するカレー店で指導を始めたのは3年前。すでに教え子は200人を数えていた。放射線の影響があるため、今のところは福島市へ戻ることは考えていないが、一方で逆にあきらめて福島市へ戻ってふつうに生活している人もあるという。
これまでも交流会でフラダンスを披露しており、「やっぱり楽しいのです。この楽しさを皆さんとわかち合いたい」と、フラを踊る機会が限られることを残念がり、しばらく故郷に戻る予定もないことから、「こちらでも教室が始められたら」と願っている。
雪についても自身が福島市の山手に住んでいたので、雪の量は地元代わらず、逆にアップダウンがなく、平野なので車は運転しやすいと話していた。
また、今は吉田南小6年生の山田瑞樹君(12)は、警戒区域で立ち入りできない浪江町が故郷。かつては燕市体育センターに避難し、小学生ながらムードメーカー的な存在だった、大きな体で立ち居振る舞いや発言からとても小学生に見えず、避難している間に声変わりもし、中学生にしか見えなかったが、今春、いよいよ本物の中学生になる。
浪江町の小学校では節分で豆まきの行事があったが、吉田南小にはなかった。家でも翌日に交流会の豆まきがあるからと「節分」3日は家族とも豆まきはせず、交流会での節分豆まきに熱中していた。ただ、この1年で見た目にも体重が増え、みんなに体を動かせと冷やかされていたが、間もなく燕市内で中学校に進学することになった。