三條機械スタジアムを運営する株式会社丸富=三条市若宮新田=は11日、三条市下田地区のスポーツ交流センター「はやぶさ」で元サッカー日本代表の森島寛晃さん(39)を講師に三条市下田地区水害復興支援「夢は必ずかなう」モリシサッカー教室を開き、参加した下田地区の少年少女サッカーチーム「しただファンタジスタ」の小学生50人は、“モリシ”直伝でサッカーの技術とスピリットを楽しみながら学んだ。
子どもたちの保護者や地元下田中学校サッカー部の部員、見学者など200人余りが来場した。柴山昌彦社長「君たちはこれから日本代表になるかもしれない、FCバルセロナに行くかもしれない。大きな夢と希望をもってこのサッカー教室に参加してください」とあいさつ。三条市サッカー協会の杉井旬会長は、日韓W杯で決勝トーナメント進出の立役者だった偉大な選手から指導を受けられるのは「本当に運のいいこと」で、「森島さんに続いて日本代表になれるように頑張っていただきたい」と求めた。
W杯の舞台に参加でき、で「夢というものをもつなかで、いつかやってやろうという強い気持ちをもって」サッカーを続けてきた「皆さんと一緒に少しでもたくさんボールを蹴り」、ウオーミングアップやトレーニングで「少しでも何かやったという思い出に残るプレゼントを」と話してさっそく教室を始めた。
森島さんは広島県出身で、セレッソ大阪で活躍。98年の仏W杯、02年の日韓W杯の日本代表で出場し、日韓W杯では決勝トーナメント進出を決める決勝点をあげた。08年に引退後、セレッソ大阪アンバサダーとしてサッカー普及や広報活動に努めている。現役時代はその明るい人柄もあって“モリシ”、“ミスターセレッソ”と呼ばれ、幅広くファンに愛された。
教室では斉藤竜スクールコーチと2人で指導し、前半は主に2人1組で行うトレーニング、後半は自身もプレーヤーとなってフットサルの要領でミニゲームを行った。身長は170センチ足らずの森島さん。テレビで見る通りに笑顔が絶えなかった。
「積極的にボールを取りにいく選手は次のことを考えている」と、ボールが来るのを待ってばかりいないような姿勢を求め、「押し込めるところにポジションをとったら点が取れるんだから」と自身の得点感覚も授けていた。
緑のウエアの選手に緑のビブスを渡すのに「緑は緑でも五月みどり」と子どもには絶対にわからない駄じゃれも披露し、関西弁でぼけたり突っ込んだりと笑いもいっぱい。しかしいったんミニゲームが始まればボールの扱いは現役時代と変わらず、2人、3人とボールを奪いに集まってくる小学生をフェイントや股抜きでかわし、いわゆる“ちんちん”の状態にして子どもたちに元日本代表の技術を披露していた。
森島さんは前夜に飛行機で新潟入りの予定だったが、雪のために予定した便が欠航になり、いったん東京へ向かってからこの日朝、新幹線でJR燕三条駅から会場へ向かった。教室のあと、森島さんは「ここまで雪がたくさんあるのは初めて」と目を丸くしていた。新潟にはアルビレックス新潟というJリーグの舞台がすぐそこにあり、「サッカーというものをいろいろ見るなかで、いろんなものの刺激を受けてぜひ成長していってほしい」と子どもたちに期待していた。
この教室は、昨年の新潟・福島豪雨で大きな被害を受けた下田地区の子どもたちのために何かできないかと企画。丸富はセレッソ大阪のスポンサーのひとつ、ヤンマーの特約店でもある縁で森島さんに講師を依頼して初めて開いた。
また、26日にも「三条市下田地区水害復興支援」と冠して三條機械スタジアムで「三機スタ感謝祭」を開き、厳寒期で降雪期でイベントの少ない2月を盛り上げる。