天神と呼ばれ、学問の神としてまつられる菅原道真の命日、2月25日に行われる天神講に向け、燕市は11日から25日までJR燕三条駅内の燕三条ウイングと道の駅国上で初めての「越後つばめ 天神講菓子展」を開いており、市内の菓子店が取り扱う天神講に供える菓子を展示販売している。
燕三条ウイングで展示販売しているのは、燕地区の飴屋本舗と白根屋、分水地区の小松屋と坂田屋本店、吉田地区の皆川菓子舗の5店が製造するもので、セットも1種類と数えると約50種類ある。価格は、安いものはイヌやネコをかたどった220円から、8種類がセットになった1,500円まで。11種類をかご盛りにしたにぎやかなセットもある。
天神講は学業成就などを願って全国各地で行われているが、そのために供える菓子を作っているのは全国でも珍しい。道真をかたどった菓子がメーンで、燕地区と吉田地区は粉菓子、分水地区は金花糖に分かれているのもおもしろい。
道真はえぼしをかぶり、胸にはトレードマークともいえるウメの紋、手には笏(しゃく)を持って座るのが基本形だが、顔つきや持ち物はまちまちで、印象は店ごとに異なる。道真以外にも松竹梅やタイ、エビ、ニワトリ、福助などめでたい物をモチーフにしたものもあり、それぞれ赤、黄、緑、桃などの着色が加えられ、ずらりと並んだようすは春を呼び込む行事にふさわしい華やいだ彩りだ。
燕三条ウイングの正面入り口を入ってやや左の目立つスペースに、先に市が作った天神講ののぼり旗も立てて展示しているので、注目度は抜群。展示作業を行っているときから一足早く売ってほしいと頼む人もあり、年配の人は「懐かしい」、天神講を知らない若い世代は「かわいい」と買い求め、人気は上々だ。また、天神講の菓子を扱う市内13店舗を紹介するマップも作成し、配布している。
市は昨年から天神講の菓子のPRに力を入れており、天神講菓子展もその一環。昨年は立ち上がりが遅かったこともあって燕地区の商店街内で展示だけ行ったが、ことしは会場を増やして販売も。各菓子店も売り上げ増に手応えを感じ、天神講の菓子の販売、PRに力を入れている。ほかにも18日から25日までグループホーム仲町=燕市燕=でも展示だけ行う。