大雪が続く県内は週末の11、12日と久しぶりに小康状態になり、三条市の市街地でも屋根の雪下ろしをする住宅が目立った。
三条市は10日、この冬最深の積雪118センチを記録し、除雪と排雪体制の強化が必要になって除雪対策本部を設置した。11、12日は朝方に雪が降ったものの、日中は晴れ間も広がり休日を利用して絶好の雪かきや屋根の雪下ろしのタイミングになった。
三条地区の緑ヶ丘の町内では、この2日間に町内一斉の雪下ろしを呼びかけた。11日昼前には町内の130世帯のうち、10数世帯が雪下ろしをしていた。
6、70センチも雪が積もった屋根に家族や手伝いの近所の人が上がり、スコップで上から雪を落とした。下でも家族や近所の人が協力し、落とした雪が交通の邪魔にならないよう屋敷に積み上げたり、別な場所にスノーダンプで運んだりしていた。
また、畳くらいの大きさの木枠に透明の波板を固定した「雪すべり」という雪を滑らせて移動する道具を団地内の人が手作りし、雪下ろしに大活躍。1軒で作業が終わると、また次の家に貸し出され、重宝していた。
緑ヶ丘は本成寺中学校の北側の「緑ヶ丘団地」と呼ばれる住宅地。30年以上前から団地内の行事として、夏まつりや秋の収穫祭、花いっぱい運動などを行い、古川貞夫自治会長は住民のコミュニケーションがとれている町内と言う。
この日は多くの人が外で除雪作業を行っており、古川自治会長が声をかけながら歩くと、屋根の上で汗を流す人からもあいさつが返ってきた。家の前で雪かきする高齢の男性は「雪国はこれくらいしょうがない」と苦にもせず笑顔を返していた。