三条市立栄北小学校の校長が信用失墜行為で懲戒免職処分となったことを受けて、三条市教育委員会が15日夜、同小学校で記者会見を行って経緯などを説明した。
午後7時からの保護者説明会に続いて、8時から会見した。松永悦男教育長、池浦倫之教育部長、教育総務課長、学校教育課長、同校の伊藤芳文教頭の5人が出席。松永教育長が謝罪の言葉を述べ、学校教育課長が経緯などを説明し、質問に答えた。
同校の内田芳文校長(52)は、平成22年4月に同校に着任。同年8月4日から24年1月10日までの間に延べ13回、7人の教職員の財布などから計14万7,000円を盗み、15日午後3時からの新潟県教育委員会で、出席した内田校長に懲戒免職処分が言い渡された。
内田校長とともに出席した三条市教育委員会によると、内田校長は「子どもたち、保護者、地域の皆さま、三条市教育委員会に迷惑をかけて大変申し訳ない」と話していたという。
同校では、教職員から自分自身がなくしたと思うのだが現金が紛失したと教頭に届け出て、その都度、教頭は校長に報告していた。何回か報告しても教育委員会や警察に相談や届け出をするなどの行動が見られなかったり、紛失の状況などからもおかしいと教職員間でも話があったりしたなか、教頭から校長に確認、時間をかけて話をしたなかで1月20日に認め、同日11時ころ、2人で三条市教育委員会を訪れた。
三条市教育委員会では、本人からの申し出を受けたことで、この事実を確認し、中越教育事務所に報告した後、県教育委員会が調査した。
動機について内田校長は、住宅ローンの返済などで生活に困った、生活費に充てたと話していたという。盗んだ現金は、教頭を通じて全額弁済され、校長は一人ひとりに謝罪し、被害に遭った教職員は警察への告発は行わないと話しているという。
同校では、翌16日朝、全校朝会で伊藤教頭から児童に、今回のいきさつを話すことにしており、絶対にしてはいけないこと、悪い心に負けてはいけないこと、さらに今回のことで悲しんだり苦しんだりしている人もいると思うがそばには学級担任などがいることなどを話す。
また、翌16日からは教頭が校長の職務代理を行うが、卒業式も近いこともあり、県教育委員会に新任の辞令を受けるよう求めており、近く人事異動があると思うとした。
松永教育長は冒頭のあいさつで、全幅の信頼を置く校長に教職員の指導を頼んできたが、「教職員を指導し、教職員の模範となる校長自らがこのような愚かな非違行為をすることはとうてい信じられないこと、本当に慚愧(ざんき)に堪えません」。
「このことにより、栄北小学校の児童のみならず、三条市全体の児童生徒にあたえる心の傷の深さ、教職員への不信感、さらに保護者や地域の方々はじめ全市民の学校教育への信頼を大きく損なうことになります。私教育長は、市内の校長をはじめ教職員服務の監督の責任者として、その責任の重さを痛感している。心から皆様方にお詫びを申し上げます。誠に申し訳ございません」と述べ、全員で深く頭を下げた。